「懐かしいキャラが勢ぞろい」ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
懐かしいキャラが勢ぞろい
人間社会にアニメの主人公が入り込む設定、技術的には融合は良くできているのだが問題はアニメのキャラ、常時ハイテンションで喚きまくっているから、それを受ける俳優が同類ならドタバタコメディで通せるがなまじ俳優の見せ場を作ろうとすると邪魔以外の何物でもないところが難点。笑いの方も、25人のギャグライターを使ってセリフを考えたらしいがネイティブでは無いので掛け合いの面白さは今ひとつでした。
実写とアニメの融合が売りなのでしょうが、改まらなくともSF映画の開祖とされる「月世界旅行(1902)」の頃から試みられていますし、ディズニーの「Alice's Wild West Show (1924)」はファンタジーの先駆け、近年では「メリーポピンズ(1964)」や「ロジャー・ラビット(1988)」あたりになって技術的にも自然な共演が可能となりましたね。
ルーニー・テューンズというとピンとこないがディズニーの向こうを張ってワーナーブラザースが作ったアニメシリーズで本作の主人公のバックス・バニーやダフィー・ダックのほか多くのコミカルなキャラが有名、大体が弱い方が強い方をギャフンと言わせる逆転劇、中でもカナリヤのトゥイーティーと猫のシルベスターや野鳥のロードランナーとコヨーテのワイリーなどのシリーズは大好きでした。
前作の「スペース・ジャム」がバスケットの神様マイケル・ジョーダン起用で大ヒットしたので2匹目のドジョウを狙ったのですがマイケルがのらなかったのでジャッキーチェンでスパイものやレーサーのジェフゴードンによるレースものとか紆余曲折あって本作にこぎつけたらしい。
本作はプロット的には出来損ないの007のようで無茶苦茶だが見せ場的には面白い、懐かしいアニメキャラが随所に登場するし、ルーブルでムンクやスラーなどの名作に逃げ込む発想は秀逸でした。特にエリア52では禁断の惑星のロビーや宇宙水爆戦のミュータントなどレトロSFのファンには懐かしいキャラが勢ぞろい、大収穫でした。