幸せになるためのイタリア語講座のレビュー・感想・評価
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これもドグマ映画
イタリア娘ジュリアとヨーゲンの2人が一番感動的だった。前半は、人が死にすぎてるなぁ、とちょっと引いてしまったけど、家族や身近な人の死を乗り越えないと幸せはつかめないことも考えさせられた。基本的には3組のラブストーリーなのに、人生観をも与えてくれそうな映画だ。
登場人物はドジばかりしているオリンピアを代表格に、皆不器用な人ばかり。仕事をクビになったり、幸せを掴み損ねたり、恋愛も苦手なようだ。そんな不器用な人たちが想いを届けるために、一緒に外国語を学ぶ。教養講座ならば何でもいいのだろうけど、今まで言えなかったことまで言えるようになる手段として最適な題材とも言えるかもしれない。
ドグマ映画12作目、初の女流ドグマ監督といった話題もあるが、群像劇として素晴らしい出来になっていると思います。いつになったらハルの髪が切られるか、ヨーゲンはジュリアの気持ちに気付くのか、オリンピアとカレンは似ているけど実は姉妹だった・・・という魅力ある脚本だ。クラスでセックスするのはどうかと思うけど。
ドグマ95
ドグマ95なので、どこかしらラース・フォン・トリアーを連想する様な冷涼で柔らかなドキュメンタリータッチなフィルムでした。作品は楽しげな邦題とは違い、日常の孤独や悩みがメインで描かれています。そして出てくる人は皆不器用。でも普通の人間ってそんなに器用に生きれてないですよね。彼らの日常に自分を投影して、ちょっと励まされてホロリときました。好きな人がいて、その人と一緒にコーヒーを飲みたくなる様な作品です。
邦題は酷いが内容は良い
ドグマ形式で製作された群像劇。映像の中の営みがささやか過ぎて、中盤まで何を語っているのかよく見えて来ないが、小さなエピソードや言葉のやりとりの積み重ねによって、登場人物たちそれぞれの抱えている問題があぶり出され、ゆるやかな繋がりによって全体のドラマへと反映されていくさまが心地よい。あまりにも優し過ぎるヨーゲンと、髪型を褒められただけで静かにはしゃぐジュリアのカップルのキャラクター造形が素晴らしい。
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