「ラストシーンが好き!女性が何時までも元気に生きるのは素晴らしい!」女はみんな生きている Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
ラストシーンが好き!女性が何時までも元気に生きるのは素晴らしい!
この映画のラストシーンは痛快で、しかも心がホッと安堵し、何とも心地良く、前半の先が読めない物語の展開から打って変わり、スリルの連続後に静かな余韻を味あわせてくれた良い作品で、地味だけど好きな作品の1本になった!
あまり、こう言う作品に関しては、ストーリー展開を記載してしまうと詰まらなくなるので、敢えて何も書かないけれど、ハリウッドでは出来ない面白さが、絶対にフランス映画には有るって実感するタイプのサスペンス・コメディーとでも言ったら良いのかな~?
ヒロインエレーヌを演じるのは、カトリーヌ・フロは、セザール主演女優賞を受賞しているそうだが、私はフランス映画に造詣が深く無いので、彼女の事は良く知らなかったが、このカトリーヌが演じるエレーヌの心と行動が徐々に変化して行くその過程を彼女は地味だが素晴らしい芝居で見せてくれるのだ。夫と共働きをしながら日々生活を送っているエレーヌは、何か日常にモヤモヤとした不満を抱えて生きているが、ある事件を契機に、自分の生きて来た人生のボタンの掛け違いをハッキリと認識し、修復し始めるのだ。
そして、その事件のきっかけとなる、ノエミを演じているは、ラシダ・ブラクニだが、このアルジェリア人娼婦を演じる彼女がまた、魅力的で良いのだ!
絶対ありえないと思える状況でも有るのだが、しかし世のダークサイドはひょっとするとこんな展開が起きているのかも知れないと、ギリギリのところで、観客の興味を引っ張り続ける彼女の存在感は、今年ヒットしている「ドラゴン・タトゥーの女」のルーニー・マーラが圧倒的な存在感で、物語を引っ張って行くのに似ている。
この映画のタイトル「女はみんな生きている」は、凄く意味深で、興味深い物がある。
世の女性とは、こういつも、いつも自己の変化を目指して生きているのだろうか?と本当に考えさせられてしまった。
そしてもし、女はみんな生きていると言う事なら、一体男はみんな、どうしているのだろうか?
女性から見える男性感、あるべき理想の男性像とはどんなのんじゃ?と逆説的ではあるが、問いかけられている様でも有り、男と女の違い、マインドのずれが、コミカルに描かれていて痛快だ。
やっぱり映画は、こうでなきゃねって!思えるのだな~巨額の製作費をかけて、凝ったCGや、派手なアクションの連続が無くても、人間の奥深い心理がシッカリと画面に溢れて来る映画は、粋でカッコイイのだ。普通のおばさんエレーヌをカトリーヌ・フロが演じると、凄く恰好良く魅力ある女へと変化していくから、これも映画のマジックの1つだ。
何となく、変化に乏しい毎日に退屈して来て、気分転換をしてみたくなったなら、是非この映画を観て欲しい!
きっとあなたもこの映画のラストには、共感してもらえると思うのだ!
GWも真近で、家でマッタリDVD三昧と言う貴方にも当然お薦めの1本です!
映画観賞後あなたは、世の男を何と形容するのだろう?「男はみんな○○○いる」?