「考えさせられるというより突き付けられる大傑作。」ヤコペッティの残酷大陸 みるさんの映画レビュー(感想・評価)
考えさせられるというより突き付けられる大傑作。
この映画は黒人奴隷時代を描いており、淡々とそれがどれだけ酷かったか表現されています。
音楽が非常に素晴らしく、ただ音楽そのものが素晴らしいだけではなくその劇中の使い方が見事です。
例えば、白人が黒人を無残にレイプする時は美しくて壮大な曲が流れます。普通の映画ならそんな曲は流しません。普通に考えるとレイプの時に美しくて壮大な曲を流すとレイプを肯定しているように感じますが、それがこの映画の凄いところで「なんて酷いことをしているんだ!」と逆に強調されています。
白人がたくさんの黒人奴隷を川で動物ハントのように撃ち殺すシーンでもスタイリッシュでカッコいい曲がかかるのですが、それがまた白人の残酷さを強調しています。
またこの映画は同じ曲を楽器や音程を変えて何度も流すのですが、それも非常に良い曲で素晴らしかったです。
1970年代の映画ですが歴史的にも価値のある作品になっていくと思います。
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