「ほんの少しの気持の余裕」マーサの幸せレシピ talkieさんの映画レビュー(感想・評価)
ほんの少しの気持の余裕
きっと自分に厳しい人だったのでしょうね、マーサという人は。
その厳しさで、ここまでの料理の腕前を身につけ、一つの厨房でヘッド・シェフを任されるまでになることができたのだと思います。
マーサが自分に課していた様々なルールというのは、自分で自分に課した厳しさの現れであったことは疑う余地もありません。
ただ、厳しい修行に打ち克ってウデを磨いてきたことは、この厨房にスー・シェフとして入ってきたマリオにとっても同じだったと思います。料理人という、職人の世界のことですから。
同じように厳しい道のり(修行)であっても、マリオには、いくばくかの気持ちの余裕があったのでしょう。その少しの余裕があったからこそ、マリオはリナに食事を摂らせることができたのだと思います。
そしておそらく、最後にはマーサの心をしっかりと惹きつけたのも。
そういうことで、とても温かな気持ちになれた一本でした。観終わって。評論子には。
人生には、そういう「ちょっとした心の余裕」というものが大切なのかも知れないと、改めて思いが至った一本でもありました。
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