劇場公開日 2002年9月14日

「観逃していた良作」ディナーラッシュ 悶さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0観逃していた良作

2024年12月9日
PCから投稿

【鑑賞のきっかけ】
2002年の日本での劇場公開時には、全くノーチェックで、その後も、その存在を知りませんでした。
たまたま、ある映画情報のメールの中に、オススメ作品として紹介されていたことから、動画配信で鑑賞してみることにしました。

【率直な感想】
あまり有名な作品ではないですが、率直に言って、かなり出来映えの良い作品ではないかと考えています。

物語の冒頭で、ルイスというニューヨークで25年にわたり、「ジジーノ」という料理店を経営している人物が、その仲間をギャングに射殺されてしまうという事件が起こります。
物語は、今はイタリア料理店となっている「ジジーノ」店内で繰り広げられるある一夜の人間模様が描かれます。
店の片隅で店内の様子を見守るルイス。その息子で、料理長を務めるウード。そして副料理長のダンカン。
この三人を中心として、映像は、客としてテーブルを囲む面々の会話や、厨房での戦場さながらの料理づくりのシーンなどが織り込まれる、いわゆる群像劇のスタイルをとっています。
冒頭で、ルイスの仲間を殺すという犯罪が起きているものの、「ジジーノ」での一夜という群像劇が始まると、そこで、交わされる会話や、作られる料理の見事さに目を奪われて、「サスペンス」であることを忘れてしまいました。

そこが、本作品の巧みなところで、ラストの意外な展開を観て、私は、これが「サスペンス」だということを再認識するとともに、その物語構成の緻密さに、驚嘆させられました。

【全体評価】
群像劇の裏で巧みに仕組まれた事柄の全貌が明らかになるラストは、正に「サスペンス」の真骨頂とも呼べるもので、高く評価したくなる作品でした。

悶