「名画の如き怒濤のワンシーンの連続!((((;゚Д゚)))))))」ヴェルクマイスター・ハーモニー iwaozさんの映画レビュー(感想・評価)
名画の如き怒濤のワンシーンの連続!((((;゚Д゚)))))))
同じ人間が撮ったとは思えない
名画のようなワンシーンの連続に
驚愕の映像体験でした!m(_ _)m
最近、カールドライヤー監督の作品を観て、
こちらも圧巻の迫力の体験でしたが、
それに勝るとも思えるシーンがずっと連続して、
見終わっても心の火照りが止まないようで、
久々にレビュー投稿してしまいました!
ただドライヤー監督はかなり分かりやすく
説明してくれるのですが、タルベーラ監督は
説明一切なしのように感じるのが、少し
残念ではあります。ただ、説明を入れたら
この美しさが損なわれるような気もします。
f^_^;
歴史や神話のワンシーンを描いた名画を
前にした時、多くの人がそこで足を止めて、
絵の中の群衆の一人一人を見て、
脳内で彼、彼女達が動いているシーンを
想像してしまうと思うのですが、
それが見事に映像として成立している事に
驚愕でした。
昔の画家は、動画というものが無かった故、
苦心して一枚の絵にその動きを落とし込んだ
訳ですが、タルベーラ監督は、
それを動画において、
ワンシーンという一枚の絵に
描いたように思えました。
((((;゚Д゚)))))))
もちろん動く名画ですから
どの瞬間も、カメラの動きやスピードも
人の仕草も、群衆の交錯も、その構図も
全てが美しく無ければなりません。
とはいえ、そんな事、普通は不可能だと
思いますが、、、
タルベーラ監督はそれをやってのけてる事に
鳥肌&体が震えました。
監督以前にドライヤー監督が
それをやっていたとは思いますが、
現代において、まさに神の視点での映画!再び!
しかも最初から最後まで、そんなワンシーンの
連続で2時間以上も魅せるなんて、、
凄すぎます、、
たぶんサタンタンゴもそうだったのでしょうが
あまりにもワンシーンの尺が長過ぎて
ついていけなかった気がします。
(^◇^;)
そして今作は、サタンタンゴより
分かりやすいメッセージ?暗示?
があった点が良かったですね。
エステル叔父の口述録音メモ?で
印象に残ったのは、
「ヴェルクマイスターによって
非常に便利な平均律12音階が発見されて
以降、人々はその流れに逆らわず
乗る事しか考えてなくなってしまった、、」
また、
「古代において、人々はもっと不完全な音で
満足して暮らしていた。しかし、現代の人々は
より良いものをと、次から次へと開発し、競い、
独裁者のように、煽動者のように
神の領域を冒すようになってしまった、、」
(自分の記憶ではこんな感じでしたf^_^;)
あぁ、まさしく、そのとおりだな、と感じた
メッセージでした。
まだまだ理解不能な事ばかりでしたが、
冒頭の太陽系ダンス、日の出の逆光の道を歩く、
リアル大鯨ボックス、広場で焚き火?、
恐怖の影絵プリンス、叔父と叔母の闘い?
郵便局の女の独り言、叔父と歩く歩く歩く、
ロック?パンク?な子供の狂騒、暴風、
戦車発進!?、暴徒の行進と暴動の病院、
ヘリ旋回の恐怖、鏡と対峙、自失、叔父と鯨の目、
等々
印象的な美しい?畏怖、畏敬のシーンが
脳内に刻まれました。
m(_ _)m
何何でしょう?理解不能なようですが
何か分かる気もする美しさ、
徹底して練り上げられたシーンに
圧倒されます。
監督の怒号と共にわずか37カットで
完成された名画。
ドライヤー監督もそうでしたが、
根本に現代社会への怒り、があり、
虐げられた者たちの恨み、を晴らすかの如く
の2時間半でありました。( ; ; )
サタンタンゴはこの作品の為の習作のような
気がしました。
「一つの解釈に囚われるな」との事ですので
次はまたゼロに戻って観る必要がありそうです。
^ ^
共感&コメントありがとうございます。
タル・ベーラの戦慄的な美しさと驚異的カットの連なりを前に、私もただただ圧倒されました。超自然的な領域に足を踏み入れる感覚はおっしゃる通り、畏怖畏敬の映画ですね。ありがとうございました。