「超能力はいらない」アトランティスのこころ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
超能力はいらない
総合65点 ( ストーリー:60点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
何の予備知識もないままに観ていたが、途中でこれはスティープン・キングの原作だろうなとわかった。「スタンド・バイ・ミー」や「グリーン・マイル」と相似性がある。
だがホプキンス演じるテッドがどんな能力を持つ人物だったのか、失踪した犬の張り紙は何なのか、わかり辛くてあまり入り込めなかった。
そもそも少年時代の不幸とささやかな幸せとを描くのに超能力者みたいなのが出てくるのは必然性があるだろうか。このような話がキングは好きなようだが、自分は何でもできる反則技のように思ってあまり好きではない。母親、友人、いじめっ子との関係を通しての少年時代の描き方が良いから、これだけで良かったのではないだろうか。主人公の少年、テッド、母親、キャロルの演技もうまくて魅力的だったが、超能力とそれにまつわる物語のわかり辛さが今一つ。名作「スタンド・バイ・ミー」には遠く及ばない。
ここでは悪役で出てくる母親だが、自分には面白い存在だった。まだまだ美しさの残る彼女は、母親というよりも女なんだろう。自分勝手で子供に犠牲を強いてそんな自分を正当化し続けるなどずるいし幼いし好きにはなれないのだが、それでも子供を捨てたり酒浸りになったりしていないだけまだましだ。決して幸福とはいえなかった彼女にしてみれば、子育てに集中するには自分の人生にやり残したことがたくさんあったんだろう。
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