「まだまだ謎の星」レッド プラネット odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
まだまだ謎の星
SF映画でも火星ものは人気が高く多くの作品がありますね、最近ではたった一人のサバイバルを演じたマット・デイモンの「オッデセイ」が印象的でした、ひょっとすると本作の影響もあったかも知れませんね。初期のSFに登場するタコのような宇宙人は無理でしょうがかっては水が有りひょっとすると生命の痕跡もと期待されているのでNASAの探査も続いています。昔より分かってきたので火星の描き方や着陸シーンもリアルっぽい感じがしますし、20年前にしてはVFXも頑張っていますね。
映画のポイントとなるのは火星の大気改造計画、地球の酸素もシアノバクテリアを始祖とする藻類の光合成によりもたらされたとされているので火星に藻を移植すればという単純な発想なのでしょう、それを食べる昆虫というのももっともらしいですが進化が唐突なので深堀は無理なのでしょう、第一、酸素を作っても大気を留める重力が足りませんので土台無理な話ではあります。
したがって映画は太陽フレアによる事故でのクルーのサバイバル物語にシフト、普通はロボット三原則、フェール・セーフティにプログラミングされるはずの探査ロボットが人間を襲うと言うターミネーターモードではらはらさせたり、NASAの人選で通るはずのないエゴイストのクルーをいれてかき混ぜます、この辺は今観ると脚本として凡庸な気がします。男ばかりでは殺風景、ロマンスも入れてと艦長を女性にしたのでしょうが必然性の無いシャワーシーンまで入れるのでは折角の気合の入ったVFXも台無し、よくあるB級映画の轍を踏むことは無いでしょう。映画の着想は面白いのでリドリー・スコットとは言いませんがもう少し骨のある監督ならと無い物ねだりをしたくなりました。