「そして、ハンターになる」魔王(1996) jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
そして、ハンターになる
聖クリストフォロスの伝説を下敷にした
フランス人アベルの物語
母国ではあまり良い体験がないのだが
戦争でドイツ軍捕虜になってからの
彼の体験は 彼の目線から見ると冒険的、幻想的
将校フォレスター、ゲーリング元帥
SS将校ラオファイゼン、カルテンボーン伯爵と
彼が仕える相手は色々
フォレスターには動物との
ラオファイゼンには子供との親和性を見いだされ
活用される
特に後者の目的は少年のスカウトで
アベルの勧誘が誘惑に、そして誘拐になってゆく処が 怖い
(レーベンスボルン)
虐められた母国の学校より
規律正しく美しい軍学校に魅了されてしまうのは
凡人としては ちょっとわかる気も
現実世界にワンクッション置いたような彼の人生観が
妙にナチスとシンクロしてしまう
ゲーリングの狩猟ロッジやハンティングの様子も
残酷だが甘美
ついに魔王と呼ばれるようになった
ドーベルマンを引き連れ、馬に乗るマント姿の
アベルも幻想的
そして子供をさらう(ハンティング)
最後にユダヤ少年を担いで戦場を突破してゆきながら
クリストフォロスのことを思い出す
東プロシアの森で
善悪の境界をさまよい続けるアベルを
マルコビッチが演じていてハマリ役
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