「誘拐というビジネス」プルーフ・オブ・ライフ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
誘拐というビジネス
総合:70点
ストーリー: 70
キャスト: 70
演出: 75
ビジュアル: 65
音楽: 60
日本では想像しがたいが、身代金目的の誘拐というのは国によってはただの犯罪ではなくて立派な産業である。彼らは人を誘拐して身代金を脅し取っては、さらに次の誘拐をしていく。近年のソマリア沖やマラッカ海峡の海賊も、その産業に従事する人々の一部。それだから誘拐保険や誘拐の交渉の専門家というのが現実に存在する。
そのような業界についての映画というのは面白い。しかしそれだけに交渉の技術とかこの仕事の裏側とかをもう少し見せてくれればなと思う。犯人がいかに家族を怖がらせて身代金を取ろうとするか、それに対してどう対応していくのか、そのときの家族のストレスや心情はどうなのか。そういうことを見せ場の中心にすえてもっと詳しくしてくれれば、より緊迫感のある映画になったかと感じる。その意味で「身代金」よりは劣る。
映画は不倫か誘拐事件産業かということになるのだが、それでも不倫に走ってあっさり2人の体を重ねる場面が登場するような安っぽい映画にならなかっただけまだいい。一応彼は職業的交渉人として逸脱しなかった。
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