フォロウィングのレビュー・感想・評価
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時間使いの達人
クリストファーノーランの長編デビュー作面白いとの評判なのでサービスデーを利用して見た。クリストファー・ノーランは時間使いの達人だなと思いました。
結論から言うと面白かったです。
話は時系列的に並べられてない、時間が行ったり来たり、途中から何でこの人の容姿は変わったの?ここの部屋ってと…どうなってるのと思いながら見ていて、後最後にそれが明かされる。
上映前、劇場のホールで流されてた予告の最後に「騙されるな」のコピーを見てたのですが、想定外の内容に私は、騙されました。
また、音の使い方もいつも楽しまされます。観客をイラつかせるような音の使い方にオッペンハイマーの足音に通じるのではないかと考えました。
この作品の頃にはきっとメメントはもとより、インセプション、TENETなの構想も既に持っていたのかなと考えてしまいます。
ところで、クリストファーノーランは、ジャックニコルソンが好きなんでしょうか、主人公の部屋に、叩き割ったドアの隙間から覗く写真や主人公?の部屋に貼られたバットマンのマーク(ジョーカーは、ジャックニコルソン)個人的には気になりました。この映画の制作時、まさか自分がバットマンを撮るとは思ってなかったのではないでしょうか。
そして、次回作はスパイ・スリラー風SFドラマとのこと、もう期待大でしょう。
今から楽しみです。
ノーラン監督作品をより探求する手がかりとして観るもよし、これを導入部にするもよし、な一作
モノクロームでざらざらした映像に時代を感じますが、よくよく考えれば1998年公開作なので、カラーでの撮影が当たり前の状況のはず。「フィルムノワール的作品なんだから、フィルムもモノクロームでしょ」というノーラン監督のこだわりが主な理由、らしいんだけど、フィルム代を少しでも節約しようとした可能性も。というのも、ノーラン監督は本作を、のちのち重厚で大規模作品を手掛けるようになる経歴からは想像もつかないほどの低予算、少人数スタッフで作り上げたためです。
時間軸を操作することで次々と現れる謎、意表を突く結末など、ノーラン作品の特徴ともいうべき要素は、すで長編初監督作でもある本作にも随所に見出すことができるんだけど、彼の才気煥発ぶりを実感する一方で、なんとなく制限のかかった予算でどれだけ面白い映画を作り出すか、という試行錯誤の結果編み出した技であるかのようにも感じたり。
さすがに本作の後継が続々登場したことを知っている観客の視点では、本作の仕掛けに全くの真新しさを見出すことは困難ですが、しかし多くの観客の意表を突くことは間違いなく、「このトリックは100%見破れない」という惹句も誇張ではありませんでした。
本作以来久しぶりにモノクロームフィルムでの撮影も取り入れたという(しかもそのために特注のフィルムまで開発した!)、『オッペンハイマー』と劇場で見比べてみる、という体験ができるのも、今現在ならでは。
上映時間は約70分と以降の作品と比較して非常に短く、しかも話は濃密かつ面白いので、本作をノーラン作品の導入部として観ることもおすすめ。
また記念上映ということでパンフレットの気合も素晴らしく、10ページにも及ぶノーラン監督インタビューは圧巻です。必読!
ノーラン監督作コンプリート
ノーラン初長編
70分でもノーランらしさが凝縮されていた
バットマンへの壮大な伏線…!
散りばめたパズルを一つ一つ拾い上げ、パチリ、パチリとはめていくような感覚。
モノクロの画面が情報を伝えすぎないからか、よりストーリーに入り込める気がする。
日常生活で時たま出会う理解し難い出来事って、その時はその違和感すら魅力に感じてしまうし、なんなら生活の中に紛れ込み、ナチュラルに寄り添ってくる。そんなモノを形にするとコッブになるんだろうな。
そしてまたコッブは、次のターゲットを目指して生活の中に溶け込んでいくのだ。
荒削りながらもメメントやTENETの始まりがここかと思うと、感慨深いものがある。
TENETか理解できなかった方は、まずはクリストファー・ノーランの理解のために、この作品からスタートすると良いと思う。
最初に見た時は気が付かなかったけど、今見るとアパートメントのドアに貼ってあったバットマンのエンブレム、ここにその種を蒔いていたんだなと、ニヤリとしてしまった。
ノーランやばいな
まぁ出来過ぎな脚本で無理はあるけど…
ルールは破りたくなる
クリストファー・ノーランの映画が1週間で2回も、しかも映画館で見れるだなんてめちゃくちゃ贅沢。昔からぐちゃぐちゃ時系列が好きだったんだね。これが「インセプション」だとか「テネット」だとかSF超大作に変貌していくと思うとなんだか考え深い。長尺のイメージが強いノーラン映画だけど、短い時間でも才能を十分に発揮。期待していたラストじゃなかったから評価は抑えめにしたけど、これが処女作だなんてエグすぎる。演出、構成共に完璧。他のどの監督よりも映画見た!と強く思える、圧倒的な満足感があるんだよね〜。
〈そう簡単に人は変われない〉〈ストーカー、ダメ、絶対!〉的な映画だからまぁこれでも全然良いんだけど、個人的にはもっと主人公を面白く描いて欲しかったかな〜と。でも、70分でここまで展開させるのは至難の業。気楽に見ていたら最後の伏線回収にうわ!って言っちゃう系の映画。低予算だから他作品に比べると地味ではあるけど、やっぱりノーランはノーランだった。クリストファー・ノーランの頭、一日体験したい。
軽快に駆け抜ける70分がもたらす余韻
不法侵入は、やったらヤバい事になる。
4月24日(水)
クリストファー・ノーランの監督デビュー作「フォロウィング」を新宿武蔵野館で。
モノクロで上映時間1時間10分と短いが、25年前のデビュー作からノーラン得意の時間軸いじりは始まっている。
作家志望のビルは、ロンドンの街で趣味と作品のネタ探しで目についた他人を尾行している。しかし、ある日尾行している男に尾行を気付かれてしまうが、彼は他人の家に不法侵入して小規模な窃盗を繰り返している男だった。ビルは、彼と一緒に他人の家に不法侵入するようになるのだが、実は彼は……。
全編モノクロで例によって時間軸が前後するのだが、主人公が途中で散髪して着替えるので、どの時点の映像なのかは把握し易い。ラストにどんでん返しが待っており、上映時間が短くても上手くまとまってはいる。
本作のレビューを読んでいたら、映像を時系列順に再整理された版も収録されたDVDがあるらしい。
結局、ラストにどんでん返しが待っているので、印象はあまり変わらないようだ。
本日鑑賞2本目で鹿児島への旅行の後で疲れもあったのか、私にしては珍しく途中で一瞬寝てしまった。(一瞬だと思うが数分かも知れない)
面白かった!
むずか面白い
コンパクトながら充実した内容でした
ノーラン監督の映画は、主人公がどうしても好きになれない、共感できないパターンが多いのです。
人間の愚かさを表現しようとしているのか、人物を描き込む技量が足りないのかは分かりませんが、デビュー作からそうだったんだね…という気づきがありました。
時系列を入れ替えるから、行動の根拠が見る側にわかりにくくなるのだと思います。
今回、謎が解けるラストは、他の作品よりもすっきり感があり、偶然うまくいき過ぎな感じもややありましたが、一作目から世界観が確立しているのは、やはりすごいと感心しました。
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