少年義勇兵のレビュー・感想・評価
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少年兵たちの青春
太平洋戦争前夜から初頭のタイ軍の少年義勇兵を描いた青春映画。太平洋戦争は日本軍のイギリス領マレー侵攻で始まったが(真珠湾攻撃の1時間前)、その際に起こったのがマレーの隣国タイへの上陸と中立侵犯。日本軍はマレー侵攻のために、当時の東南アジアで唯一の独立国だったタイを同盟国にはできないまでも親日的なピブンソンクラーム首相に領内通過を認めさせたかったのだが、日本に容認的な政策を採ることに将来的な危険性を感じたピブンソンクラームが雲隠れしたため、上陸した日本軍とタイ軍の間で戦闘が発生。数時間後に姿を現したピブンソンクラームと日本軍の間に軍隊通過協定が結ばれ、停戦命令が出されるに至った。
映画はタイの隣国フランス領インドシナ(仏印)への日本軍の進駐で不穏な空気が漂う1941年5月に、タイ軍が兵力増強のため少年義勇兵を募集するところから始まる。前半は少年義勇兵になった主人公たちの訓練の合間に恋や友情も挟まれる青春ストーリー。後半は12月8日未明に上陸してきた日本軍との激しい戦闘が描かれる戦争映画となる。おそらく実際の戦闘よりもちょっと大規模すぎるんじゃないかという気もするが、映画的にはそうしないと盛り上がらないだろうしなあ。主人公の姉の夫がタイで写真屋を開いている日本人なんだが、実は日本軍特務機関員という描写もある。青春映画&戦争映画としてなかなか面白い佳作だった。
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