ロミオとジュリエット(1954)のレビュー・感想・評価
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古典悲劇の演劇映画の完成度の高さとその範疇
シェークスピアの格調高き映画化。壮麗な舞台を背景としたオーソドックスな舞台劇のイタリア映画。高名な舞台劇を題材にした黎明期のイタリア映画の伝統を引き継いだレナート・カステラーニ監督作品だが、見所は「第三の男」の名手ロバート・クラスカーの絵画のような美しさと精密な構図が素晴らしい撮影。古典的な悲劇音楽を奏でるロマン・ヴラドのテーマ曲も印象に残る。良識のあるシェークスピア劇と言えるし、完成度も高い。但し、フランコ・ゼフィレッリ監督の’68年度作品と比較しては、主人公二人の思い入れの情感は無い。ロミオを演じた「年上の女」のローレンス・ハーヴェイが撮影当時25歳からも解るように、あくまで古典としての演劇映画の範疇である。 1983年 4月21日
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