ロスト・チルドレンのレビュー・感想・評価
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絵本を広げたような
ン十年ぶりに再鑑賞。
1回目は、小説版「パプリカ」を読んだ頃に見ており、とてもリンクした。
夢が盗み、盗まれ、共有し、その中へ出入りする。
「デリカテッセン」で作風は心得ていたため、むしろコレコレ感にも酔いしれる。
美しく細部まで作り込まれたセット(最近では「哀れなるものたち」もこの系列)、予定調和も凛々しいヒーローも現れないヘンテコながら愛おしいキャラたち。
おとぎ話だからこそ、決して大人に庇護されることのない凛々しく活躍する子供たち。
中でも主人公の女の子はカリスマだ。
ラストの一騎打ちでのトランスフォームと倒錯は、今見ても大迫力。
冒険譚として様々な仕掛けもあり、クスリと笑う所もあり。
しかしながら楽しい夢を見られない事も、そもそも人造人間たちのどこかか弱く哀れな様が、誰を責めるでもない幕引きに何とも言えない後味を残す。
そういえばおとぎ話はいつもどこかに、不穏を忍ばせていた気がする。
またセットの一部のような、完全にデザインされたゴルチエの衣装がいい!
どのショットを切り取っても、それこそ絵本を広げたような美しさがあった。
もう時間が経ちすぎていて無理は承知も、続編があればぜひとも見たい1本である。
【ジャン=ピエール・ジュネ監督が拘るレトロ・フューチャーな世界観と、”そんな人いないだろう!”と言う摩訶不思議な登場人物に魅入られた作品。】
ー 総製作費14億円をかけて巨大スタジオセットを建造。不器用な怪力男と孤独なストリートキッズとの触れあいを美しくも不思議な世界で描き、観る者を優しい気持ちにさせる作品。ー
◆感想
・荒廃した近未来の港町。大道芸人の怪力男・ワン(ロン・パールマン「薔薇の名前」のインパクト大)は、一つ目教団に幼い弟をさらわれてしまう。
孤独な美少女・ミエットは、途方に暮れるワンと出会い、教団と戦うことを決意する。
しかし、孤児院を経営するシャム双生児がワンの怪力に目をつけ、悪用しようとし…。
・カテゴリーで言えば、今作は、ダークファンタジーに入るのだろうか。
拘りの小道具や、蚤のアップのシーンなど、魅力タップリである。
・今作まで共同監督をした、マルク・キャロの影響が、ダークテイストを助長しているが、ジャン=ピエール・ジュネ監督単独作の、次作からは、明るいトーンが増してくる。
<マッド・サイエンティストを演じるジャン=ピエール・ジュネ監督作品には欠かせない、ドミニク・ピノンも多数出演・・。
面白きレトロ・フューチャーな世界観を堪能したい。>
「アメリ」「ミックマック」の監督の作品。ダークファンタジーで独特の...
ピノンが1ピノン、ピノンが2ピノン
ミスマッチを楽しむ映画
怪力男のワンの弟が謎の教団に誘拐され、9歳の少女ミシェルと共に弟を...
3.7
フランス版SFX
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