ロスト・チルドレンのレビュー・感想・評価
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絵本を広げたような
ン十年ぶりに再鑑賞。
1回目は、小説版「パプリカ」を読んだ頃に見ており、とてもリンクした。
夢が盗み、盗まれ、共有し、その中へ出入りする。
「デリカテッセン」で作風は心得ていたため、むしろコレコレ感にも酔いしれる。
美しく細部まで作り込まれたセット(最近では「哀れなるものたち」もこの系列)、予定調和も凛々しいヒーローも現れないヘンテコながら愛おしいキャラたち。
おとぎ話だからこそ、決して大人に庇護されることのない凛々しく活躍する子供たち。
中でも主人公の女の子はカリスマだ。
ラストの一騎打ちでのトランスフォームと倒錯は、今見ても大迫力。
冒険譚として様々な仕掛けもあり、クスリと笑う所もあり。
しかしながら楽しい夢を見られない事も、そもそも人造人間たちのどこかか弱く哀れな様が、誰を責めるでもない幕引きに何とも言えない後味を残す。
そういえばおとぎ話はいつもどこかに、不穏を忍ばせていた気がする。
またセットの一部のような、完全にデザインされたゴルチエの衣装がいい!
どのショットを切り取っても、それこそ絵本を広げたような美しさがあった。
もう時間が経ちすぎていて無理は承知も、続編があればぜひとも見たい1本である。
スター・トレックのVOGUE♥
『ギレルモ・デル・トロ』の『バンズラビリンス』『シェイプ・オブ・ウォーター』『ビノッキオ』に影響を与えていると思う。
今では幼児虐待になるが、主題がそれを批判していると思うので、評価したい。
キャロル・リードの『オリバー』の最後の様だった。オリバー・ツイストのテーマでもあるので、この映画はそれを意識しているはずだ。
追記 Windows95の時代に良くできた CGや合成画だと思う。
【ジャン=ピエール・ジュネ監督が拘るレトロ・フューチャーな世界観と、”そんな人いないだろう!”と言う摩訶不思議な登場人物に魅入られた作品。】
ー 総製作費14億円をかけて巨大スタジオセットを建造。不器用な怪力男と孤独なストリートキッズとの触れあいを美しくも不思議な世界で描き、観る者を優しい気持ちにさせる作品。ー
◆感想
・荒廃した近未来の港町。大道芸人の怪力男・ワン(ロン・パールマン「薔薇の名前」のインパクト大)は、一つ目教団に幼い弟をさらわれてしまう。
孤独な美少女・ミエットは、途方に暮れるワンと出会い、教団と戦うことを決意する。
しかし、孤児院を経営するシャム双生児がワンの怪力に目をつけ、悪用しようとし…。
・カテゴリーで言えば、今作は、ダークファンタジーに入るのだろうか。
拘りの小道具や、蚤のアップのシーンなど、魅力タップリである。
・今作まで共同監督をした、マルク・キャロの影響が、ダークテイストを助長しているが、ジャン=ピエール・ジュネ監督単独作の、次作からは、明るいトーンが増してくる。
<マッド・サイエンティストを演じるジャン=ピエール・ジュネ監督作品には欠かせない、ドミニク・ピノンも多数出演・・。
面白きレトロ・フューチャーな世界観を堪能したい。>
「アメリ」「ミックマック」の監督の作品。ダークファンタジーで独特の...
「アメリ」「ミックマック」の監督の作品。ダークファンタジーで独特の雰囲気がある。この監督の作品はどれも映像がレトロな雰囲気と色合いで、キャラクターも個性的で見ていてとても楽しめる。ロスト・チルドレンはダークな雰囲気な中にもファンタジー要素があり惹きつけられた。子どもたちがみんな可愛らしくて、ダークな中に笑いもあってよかった。でも、個人的にはやっぱりアメリやミックマックのようなコミカルでブラックユーモアのある作品の方が好きだなあと感じた。
自宅で鑑賞。フランス産で原題は"La cité des enfan...
自宅で鑑賞。フランス産で原題は"La cité des enfants perdus(ロストチルドレンの都市)"。大好きなJ-P.ジュネとM.キャロの共同脚本・監督(脚本には他にG.エイドリアンがクレジット)。開始五分でドコか懐かしい独特の造形とアンバー系の画面にグッと惹き込まれる。判り易いストーリーだが、夢の操作と云うモチーフにC.ノーランの『インセプション('10)』を想起。撮影当時11歳だった“ミエット”のJ.ヴィッテはとても妖しく魅力的だがこの監督陣の常連が脇をガッシリ固めている。70/100点。
・敢えて難を云えば(この監督陣の特徴でもあるが)後半やや縺れ気味になるプロット。ソレでも作為的なフリークス達に加え、(前作『デリカテッセン('91)』譲りの)ギミックに富んだガジェットと仕掛け、更にウイットがアチラコチラに鏤められ、こんな作品なら何時間でも観ていたい気になる。
・鑑賞日:2011年11月5日(土)
ピノンが1ピノン、ピノンが2ピノン
ジュネ/キャロコンビによる監督はここまで、撮影は『セブン』の人、というのを見ると画面の色調とかヘンテコ小道具とかピノンがいっぱいいるとか怪しげな見世物小屋的な猥雑さとか諸々混ざり具合とヘンテコ具合はコレが頂点だったのかも。
ミスマッチを楽しむ映画
題材はSFなんだけど、世界観はどこをどう切り取っても徹頭徹尾、退廃的な中世ヨーロッパ。このミスマッチがまさに異色。
無垢な大男と、思考と顔立ちは大人の女性のような不思議な美少女のコンビネーション。これまた激しくミスマッチ。通常であれば犯罪の匂いしかしないようなコンビ。だからR指定なんだろうか。ただしそういう児ポ的なシーンはないので念の為。
しかし、このミエットという美少女、子どもなのに顔がホントに成人女性然としていて神秘的な存在。陰鬱なトーンの作品であるだけに尚更際立つ天使感。
そのへんも含めてやっぱりどこまでも中世ヨーロッパな映画。
怪力男のワンの弟が謎の教団に誘拐され、9歳の少女ミシェルと共に弟を...
怪力男のワンの弟が謎の教団に誘拐され、9歳の少女ミシェルと共に弟を救い出すファンタジー映画。この映画の面白いところは最初から最後までダークな雰囲気。そして、ワンとミシェルというキャラクターが魅力的で飽きずに最後まで鑑賞できました。
3.7
独特な雰囲気が好き。
全体的に緑がかった画面とか、ジメジメして暗い空気とか人生の不条理を表しているのだろうか、よくわからない。
けどなぜかコミカル。
クローン役のいつもの俳優がとても役にはまっていた。
優しい怪力男とタフな少女の組み合わせもすごく好き。
ジュネ満開
ダークなフィルムとお伽話的な不思議な世界観、芸術的な映像美術でこれぞジュネといった作品です。ふざけた感じがあるのに陰りを感じる「見世物小屋」的な世界を作るのが上手い監督です。
ハリウッドのSFとはカラーが明らかに違うので、比較してみると面白いですよ。
フランス版SFX
最初は、映画館で見ました。
CGなどを駆使したSFX映画と言うと、やはりハリウッドを思い浮かべるわけですが、同じような技術が使われながら、描き出されている世界が全く違うので、非常に衝撃的でした。
同じジャン=ピエール・ジュネが監督をした「エイリアン4」を見ると、「ああ、これこれ」と思うようなジュネテイストが各所に見え隠れするのですが、どっぷり浸るならやはり“ロスチル”だと思います。
2004年10月18日
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