劇場公開日 1988年12月3日

「明るい気持ちになれる映画」ロジャー・ラビット 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0明るい気持ちになれる映画

2011年3月28日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

『バグダッドカフェ』の文章の続きで、
なるべく浮き世離れしていて、且つ負の影の無い、明るい気持ちになれる映画を紹介させていただきたい。

『ロジャー・ラビット』は大人も子どもも楽しめる映画だ。
但しアニメのようにデフォルメされた形ではあるものの、
人が死んでしまうシーンが登場する映画であることは初めに断っておきたい。

カートゥーンのアニメキャラと人間が共存する世界で殺人事件が発生。
アニメキャラ嫌いの私立探偵エディは、殺人の濡れ衣を着せられたアニメ界の大スター
ロジャー・ラビットと手を組み、事件の謎を追うことに。
事件の裏にはアニメキャラと人間の未来を脅かす陰謀が進行していた……。

1988年公開という少し古い映画ではある。
だが実写とアニメを高度に合成させた映像の楽しさは、今観ても全く色褪せていない。
まるで魔法を見ている気分になる。
監督が『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのロバート・ゼメキス、
と言えば安心感も増すだろうか?
(その分、ブラックユーモアも多分に含んだ映画という事になるのだが)
むしろ2DともフルCGとも違うその世界観は、初見の方にはかえって
新鮮に感じるかも知れない。
探偵エディを演じるボブ・ホプキンスやクリストファー・ロイドといった、
派手なVFXの中でも強烈な存在感を示す役者陣も◎だ。

他に“極力暗くなくて前向きな映画”というと、
ニコラス・ケイジ主演、コーエン兄弟監督のドタバタコメディ『赤ちゃん泥棒』、
敵対する民族であるユダヤ人の家へ迷い込んでしまった
イスラエル人音楽隊の一夜を描く『迷子の警察音楽隊』、
空港に寝泊まりする羽目になった男と、空港にたむろする
人々の交流を描く『パリ空港の人々』なんかも
ほんのり暖かい映画だった覚えがある
(『ターミナル』は観てないから似てるかどうかは知らない)。

あと僕の頭で浮かぶのは、
牧羊犬ならぬ牧羊豚を目指す子豚が主人公の『ベイブ』、
素晴らしいほどバカバカしいアクションコメディ『少林サッカー』、
小さなイタズラで人を幸せにする女の子の恋物語『アメリ』、
などの有名どころばかりか。
自分の記憶力と映画偏差値の低さを呪う。

けど、少しは明るい気分になれると思う。
もしも気が向いたら、御覧になってみたらいかがだろうか。

浮遊きびなご