ローラーとバイオリンのレビュー・感想・評価
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短いけど、ホッコリして、良作
7歳の男の子と、ある青年の、交流物語。
舞台は、1960年のソ連。
『ベルファスト』思いだした(笑)
『赤い風船』の模倣らしいんですけど、観てません。
え!こんな終わり!!って終わり方です(笑)
時間は45分!もっと観たい!!(笑)
短いしスルーしようか迷ったけど、観て良かった、出会えて良かった作品です。
この既視感は?
ん?この既視感、どこかで見たような…
んんん?あ!赤い風船!
と思ってたら…
実際、ホントに『赤い風船』の翻案映画だったらしい。
たぶんオマージュなんだろうが、あそこまでの完成度の作品の翻案というのも、なかなかのチャレンジというか、学生にありがちな、あまりに好きすぎて思わず作ってしまったというヤツ?
まさにタルコフスキーも若かったねえ〜といったような内容。
結果『赤い風船』のような切なく泣けるイノセンスも特になく、翻案元には遠く及ばないのだが。
というか、たぶん翻案を考えた時点で、
元のファンタジーな世界から逸脱して、もっとリアルな現実社会での関係性などを映そうとしたのだと思うが。
尚、もうこの時点で、この監督の独自の作家性は、鏡の多用だったり、メタファーの林檎だったり、もう諸々と既に表現されている。
しかし、学生時代のタルコフスキー君『赤い風船』好きだったのね。これはちょっと意外ではあった。
【思い出されること】
この短編は、なんか好きだ。
まあ、スコアとしては、そこそこなのだけれども、タイトルの「ローラーとバイオリン」もなんか良い。
タルコフスキーは水の表現を取り入れることで知られているが、この映画処女作の水溜りに太陽が反射して、その光がサーシャとセルゲイをゆらゆら照らす場面は、2人が瑞々しく見え、とても美しいと感じる。
サーシャとセルゲイが、それぞれ仕事と習い事の道具(つまり、ローラーとバイオリン)を通じて、心を通わせる感じもよく伝わってくるし、昔、僕自身が、ダンプとか作業車に興味津々で、こうした働く車を操る大人を尊敬の眼差しで見ていたことが思い出されるのだ。
それに、最後、サーシャは映画に行けず可哀想だったけれども、子供の時分は、親がこんな風に口うるさく介入してきて、あれこれ煩わしかったことも思い出した。
子供は、世界のどこにあっても似たようなものなのだ。
セルゲイは女性と映画に行けたようだし、まあ、大人は大人で上手くやってますよ。
ソクーロフの「孤独な声」同様にまぁ...やっぱり卒業制作映画に留ま...
ソクーロフの「孤独な声」同様にまぁ...やっぱり卒業制作映画に留まってはいる、がだがしかしタルコフスキーが好きな人は一見の価値あり、カット割りもピリッとして良いですね。
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