「脱ぐのを手伝ってくださる?」ローマの休日 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
脱ぐのを手伝ってくださる?
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映画「ローマの休日」(ウィリアム・ワイラー監督)から。
オードリー・ヘプバーン扮する、アン王女が酔ってベンチで寝込む。
そこを、グレゴリー・ペック扮する、新聞記者に助け起こされ、
彼の部屋で、着替え始めるシーン。
酔っているとはいえ、この台詞は、私にはたまらなかった。(汗)
脱ぐのを「手伝って」ではなく「手伝ってくださる?」。
ここに、王女らしい言葉の響きがある気がした。
他にも「この詩をご存知?」「私もいただける?」
「もう、下がってよろしい」「なんという幸せ」・・
どんな台詞を口にしようと、このラブロマンスを思い出せる。
王女の「楽しくってワクワクすること」が、
カフェのテラス席に座ることだったり、
ウィンドウを眺め、雨の中を歩くことだったりするが、
「ありふれているわね」と自分で納得するシーンも好きだな。
しかし、今の時代でも、カフェのテラス席に座ることや、
雨の中を歩くことは、けっしてありふれてはいない。
寒いから・・とテラス席には座らず、店内の席に腰掛け、
濡れると困るから、と雨の中を歩くことさえしない。
だから、今でも「楽しくってワクワクすること」かもしれない。
1953年の制作映画(55年以上前)が、こんなに新鮮なのは、
今も、人間の本質は変わってないってことではないだろうか。
ラストシーン、2人とも大人だなぁ・・と呟いてメモを閉じた。(笑)
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