ローマ帝国の滅亡のレビュー・感想・評価
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周りの異民族の信用や信頼を失くしていくローマ帝国の権力者の姿、それは米国の権力者の姿と重なる?
1964年製作のアメリカ映画。原題:The Fall of the Roman Empire、配給:コロムビア、
劇場公開日:1964年7月18日
舞台は第16世のローマ皇帝アウレリウス(五賢帝の最後)治世の時代。異民族に寛容な政策をとっていたのだが、後を継いだ息子(史実とは異なるが、配下の者が皇帝を暗殺)は異民族を弾圧。映画の最後では、捉えられた異民族は皆焼き殺されそう。
主人公の軍団指揮官は異民族と共に捉えられたソフィア・ローレンを助け出すが、異民族の方は助けず女性も含めて全員が焼け死んでしまう。てっきり、皆ギリギリ助かる展開を予想していたので、この結末は自分的にはかなりショッキングであった。ベトナム戦争反対もまだ下火な時代の映画であったが、米国政府の権力者の姿勢を象徴させたのだろうか?製作者達が意図したのだろうか、周辺国の信用信頼を無くして滅亡していく大帝国の姿が米国に重なって見えてしまった。
ソフィア・ローレンがイタリアの大女優であるということは知っていたが、「ひまわり」しか多分見てなくて、あまりピンと来ていなかったが、本映画のローマ皇帝娘役は高貴性と野生性の共存がとても魅力的で、成る程、他に類を見ない大女優かと思った。
ソフィーローレンと相思相愛の軍団指揮官演じたスティーブン・ボイドが、知性と逞しさのバランスが良い感じで、良い俳優と思った。一方、皇帝の父親からは評価されてなかったが父親が毒殺されたことで皇帝となり、圧政を行なったのがクリストファー・プラマー。翌年のサウンド・オブ・ミュージックのトラック大佐とは、大きく異なり、実の父親を殺める(王女の不倫による子供だった)酷く嫌な権力者を、見事に表現していて感心させられた。
監督アンソニー・マン、脚本ベン・バーズマン、 バジリオ・フランキーナ、 フィリップ・ヨーダン、製作サミュエル・ブロンストン、撮影ロバート・クラスカー、音楽ディミトリ・ティオムキン。
出演
ソフィア・ローレンLucilla、スティーブン・ボイドLivius、アレック・ギネスMarcus_Aurelius、ジェームズ・メイソンTimonidusクリストファー・プラマーCommodus、アンソニー・クエイルVerulus、ジョン・アイアランドBallomar、メル・ファーラーCleander、オマー・シャリフSohamus、エリック・ポーターJulianus、ダグラス・ウィルマーNiger、Peter DamonClaudius。
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