劇場公開日 1962年10月12日

「ラストシーンのひとひねりがあったなら…」ロープ KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ラストシーンのひとひねりがあったなら…

2021年2月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ラストシーンの直前までは、
どこで映像をつないでいるのだろうかと
集中したり、
高度なハラハラドキドキ感の展開もあり、
上質なヒッチコック劇場を堪能出来た。

特に、
他の登場人物の声が聞こえるだけの中で、
料理皿等を片付けて
チェストに本を仕舞おうとする家政婦だけが
映るの場面の緊迫感は素晴らしいの一言だ。

しかし、ラストシーンだけはいただけない。
余りにもあからさまな教訓主義過ぎて
何の意外性もない。

原作がどうであれ、
ここはヒッチコックらしく
どんでん返し的に、かつ、
ユーモア的に処理して、
例えばデイヴィッドはチェストの中で
息を吹き返して生きており、
そこからブラントンがやり込められるような
最後のひとひねりのある展開になっていたら
パーフェクトに思えたであろう
惜しい作品でもあった。

KENZO一級建築士事務所