ローザ・ルクセンブルクのレビュー・感想・評価
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大衆が幹部を動かすんだ!!
「私たちの手段は武器ではなく扇動よ」
暴力だけでの革命に異議を唱える。そして
「大衆デモによる混乱は専制政治にしか脅威を与えないのよ。警官に暴力で傷を与える事ではなく社会民主主義の扇動こそが帝国主義を実際に倒すのよ」最終的に
彼女はレーニンまでも批判している。プロレタリア独裁に反対した。思想の自由と反戦を真髄とする。
「大衆が幹部を動かすんだ」と彼女が演説をする。この考えはトルストイの「戦争と平和」でも語られている。つまり、歴史を動かすのは、一人の偉大な英雄ではなく、市井の人々とトルストイは形っている。
しかし、彼女のドイツ語の演説は、ヒトラーに似ていると僕は感じた。つまり、歴史は大衆によって作られると考えれば、ヒトラーも大衆が作ったものと考えるべきだと言う事。
「古い世界が毎日沈みかけているの。」
「沈むのが私たちの方だったら?」
「そしたら、勤勉なモグラが歴史を変えるのよ」
モグラはいつになったら、地上に出て来るか?
ローザ・ルクセンブルクが凄い女性だと思う。しかし、このストーリーの一番魅力的な部分は、1985年のドイツ。つまり、西ドイツの演出家による演出だと言う事。まだ、この時は東ドイツが存在していた時で、ローザ・ルクセンブルクは東ドイツでは神格化されていた。その偉人をこの演出家は映像化している。
日本に置き換えて見れば「小林多喜二」の偉人伝を描いているようなもの。
彼女はユダヤ系の貴族出身で、足が不自由だと言う事を頭に入れて見ると良いと思う。
「クラウス・コルドン」の「ベルリン」シリーズ「1919 赤い水兵」と言う物語があるので、合わせて読んで頂きたい。
まぁ、余り語らない方が良いだろうし、この映画に共感出来る人は少ないのが、現在の時代の流れだと思う。まだまだ、モグラの時代は続く。
わかりにくく、わかりやすい
ローザ・ルクセンブルクの事をしっかり知っている人は、どの位いるのでしょうか?
私は少し知っていましたが、それでも人間関係がわかりにくい映画でした。
わかったのは彼女の誠実さ、演説の上手さ、自然を愛した事、戦争に反対した事です。
彼女の存在と思いを受け継ぐ人々によって作られた映画なんだと思いました。
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