老兵は死なず

劇場公開日:

解説

「ホフマン物語」のマイケル・パウエル、エメリック・プレスバーガーの二人がチームでプロダクション「アーチャーズ」を設立した第一回作品で一九四三年製作になる英国精神昂揚の色彩カヴァルケード劇。二人が製作、脚本、監督を担当していることは例の通り。撮影は「バグダッドの盗賊(1940)」のジョルジュ・ペリナールが監督してジェフリー・アンスワース、ジャック・カーディフ、ハロルド・ヘイソンがキャメラを担当、音楽は「天国への階段」のアラン・グレイが作・編曲にあたった。「キング・ソロモン」のデボラ・カーが三代にわたる英国女性三名を演じわけ、「赤い靴」のアントン・ウォルブルック、「天国への階段」のロジャー・リヴシーが共演する。以下助演者はローランド・カルヴァ、ジョン・ローリー、フェリックス・エイルマー、アースラ・ジーンズら。

1943年製作/163分/イギリス
原題または英題:Colonel Blimp
配給:英協=NCC
劇場公開日:1952年5月10日

ストーリー

一九〇二年。南阿戦争が終ってクライヴ・キャンディ中尉(R・リヴシイ)は武勲をたててロンドンに帰還したが、カウニッツというドイツのスパイが英国を中傷している噂をきき、ベルリンに向った。彼はそこでエディス(D・カア)という英人家庭教師と共にカウニッツをこらしめに出かけたが、果は殴り合いとなり、キャンディは独軍将校の代表と決闘しなければならなくなった。その代表に選ばれたのがテオドル・クレッチマア・シュルドルフ大尉(A・ウォルブルック)で、決闘の結果は相討ちとなって同じ病院で治療をうけるうち二人は無二の親友になった。テオドルにエディスの美しさに心をうばわれ、キャンディが想っていることを知る由もなく彼女もこの愛を受け入れた。以来狩猟に日を送っていたキャンディは大佐に昇進して一九一八年の西部前線に出征、エディスとそっくりの従軍看護婦バーバラ(D・カー)をみそめて、終戦後彼女と結婚した。テオドルは捕虜としてイギリスの収容所にいたが、最初は自尊心からキャンディとの再会も拒絶、やっと送還の前夜折れて出て、二人は旧交を温めた。更に年は移って、妻エディスに先立たれ二人の息子をナチに捧げたテオドルは英国に亡命して来ていた。キャンディは国軍の要職についていたが、彼もまた妻バーバラを亡い、更に第二次大戦が勃発すると、その軍略の古風さの故に現役を退けられた。彼はテオドルや、更に自動車運転手の婦人部隊員ジョニイ・キャノン(D・カー)にすすめられ、国内防衛隊を組織することになった。処がそのロンドン市街演習の日、彼の古風な正統戦術は仮装敵になった若い将校に散々叩きつけられた。ルールを無視するナチと闘うには、平和な民主主義と人道主義だけでは足りないというのがテオドルや若い将校達の意見であった。キャンディは自分の古さを改めて悟り、新らしい戦いの意義を思い知らされたのである。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0デボラ・カーがひとり三役、ハリウッドに呼ばれるきっかけとなった映画...

2021年5月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

デボラ・カーがひとり三役、ハリウッドに呼ばれるきっかけとなった映画と知って鑑賞。まずは、デボラ・カーの美しさにうっとり。戦意高揚映画にもかかわらず、文化的でモダン。160分という長い映画の為、途中休憩をしたものの、ユーモアに富み、テンポも良いので飽きることなく最後まで楽しめた。

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