劇場公開日 1970年3月21日

「CGなし、実写の迫力がハンパない!」レマゲン鉄橋 Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5CGなし、実写の迫力がハンパない!

2024年5月15日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

単純

1969年アメリカ映画。日本での公開は、1970(昭和45)年。

ロケはチェコスロバキア(当時)ヴルタヴァ川沿いのダヴレにある、20世紀初頭に建設された「ダヴレスキ橋」で行われた。
再開発予定地ということで、思う存分に(笑)、爆破し戦場のリアリティを追求できたらしい。
CGのない時代ならではの迫真の撮影現場だ。

『レマゲン鉄橋』は、たったひとつの橋梁をめぐる連合軍(米軍)とドイツ軍の熾烈な戦闘を描く実話ベースの戦争映画。

レマゲン鉄橋を唯一の退避ルートとしているドイツ軍は、
現地司令官の独断で橋の爆破を延期し、一兵でも多くのドイツ兵を渡橋させようとするが、戦火を逃れたい一般住民も大挙押し寄せ大渋滞となる。

爆破される前に無キズで橋を確保したいアメリカ軍は、
主力の到着を待たず、予備兵力もないまま疲弊しきった先行の小部隊で、橋への突入を企図する。

これ以外にも、

◆ドイツ軍内部(国防軍、親衛隊、戦時召集兵)の葛藤
◆アメリカ軍内部(戦功優先と人名優先、司令部と最前線)の葛藤
◆被占領地域に住む市民(親ドイツと反ドイツ)の行動の違い

などを分かりやすくストーリーに落とし込んでいる。
よく出来た脚本だと思う。

多くの戦争映画同様に、
脳内に戦場の俯瞰図を描きながら見る必要がある。
自分があの戦場に放り込まれたら、、、
考えただけで背筋が凍る。

本作の中では、ドイツ軍もアメリカ軍も、
相当にイカれた組織なのだが、よりイカれたほうが最後は負けることになる。

見る側次第だが、
戦争映画も立派な反戦映画になる見本だと思う。
”超” がつくスターは出ていないが、大好きな映画の一本なので、無条件に☆4.5

Haihai