「ブロンソン✖️ミフネ➗ドロン」レッド・サン Chuck Finleyさんの映画レビュー(感想・評価)
ブロンソン✖️ミフネ➗ドロン
イケメンさわやかなドロンが悪役で頑張っても、日米大スターのかけ算からは、むせるほどの“男気”が舞い立つ。
一方1971年製作のこの作品には、戦後西部劇の偏見や先入観はあってもポリコレもLGBTQIA+もホワイトウォッシュ批判もない。「世界のミフネ」の存在感と発言力かテレンス・ヤング監督のセンスか、本作では今どきの欧米ドラマでさえありがち(映画はだいぶ違ってきた、ありがとうイーストウッド監督他)な、“奇妙な東洋”が強調されていない。
なお作中で一番難しい役どころは、もちろん何をやっても珍奇の目で見られる“ザ・サムライ”三船敏郎だけど、実は冷酷な悪役を演じて所々物語をシメながらも“イケメンダンディなワル役”をクールにこなして世界中のファンを悲しませないアラン・ドロンも素晴らしい。
そして、なにを演じても同じ“漢・ブロンソン”にしか見えないチャールズ・武論尊、いやブロンソンが最後の最後まで美味しいところを引っ掴んで持ってゆく、ああ美しく男くさい予定調和。観てて案外、気持ちよくて楽しい活劇映画。「マカロニ?チャンバラウェスタン」。
もしもっと後にこの映画が作られたなら、単発ではなく「ラッシュアワー」ばりにシリーズ化したかもしれない。後半の二人の掛け合いと連携を見ながらそう考えるのも、なんか楽しい。
あ、因みに本作の初見は大昔の「日曜洋画劇場」ですが、その時より楽しめましたハイ、サヨナラ、サヨナラ、さよなら。
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