レザボア・ドッグスのレビュー・感想・評価
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四半世紀を経た今だからこそ見直したくなる傑作
この衝撃作の誕生から早くも25年が経つ。冒頭、”like a virgin”について本筋とは全く異なる持論が展開されるが、まさにこの瞬間、タランティーノの作風を決定づける「脱線」要素が芽を吹いたと言っていいだろう。今更ながら映画を再見すると、最初のダイナーシーンが10分続き、その後も約10分刻みで展開が押し寄せる、極めて計算された構成となっていることに気づく。タランティーノをして「この脚本だけは売りたくない。自分で監督したい」と強く願わせ、結果的に「10代後半から20代後半まで何も良いことがなかった」という彼の人生に、その代償を還元するかのように数々のチャンスとラッキーとサクセスをもたらした本作。おそらくはハーベイ・カイテルが脚本と出会い「一緒にやろう」と声をかけた時、本作をめぐって最高の俳優陣が顔を合わせた時に、成功は約束されたのだ。舞台裏のエピソードも含めて全ての細部を堪能すべき一本。
😎タラちゃん😎
😎当時どっかの映画祭で😎ヤバイ映画があるってウワサになってたのがコレでした😎コレを見て😎レザボアの監督の最新作のパルプフィクションが公開ってなった時に絶対に見に行こうと強く心に誓った覚えがあります😎レザボアもキャスティングが異常に豪華だしポスターもナウいし😎あのラストが最高だし😎オープニングのカッコ良さでいうと自分の歴代でも上位っすね😎(カジノも🎰神オープニング)
タランティーノは昔からタランティーノだった
本作で彗星の如く現れて今も映画界を掻き回し続けるクウェンティン・タランティーノのデビュー作がデジタルリマスター版で登場です。かき集められた碌でなしの男どもが宝石強盗を働こうとするもののドツボに嵌まって行くお話です。
物語と直接関係のないウダウダの無駄話、飛び散る血しぶき、入り混じる時間軸と、タランティーノはデビュー作からタランティーノだったんだなぁと言う事がよく分かります。恐らく低予算故なのでしょう、登場人物も場面も限定的なのにスピード感を損なわないのは凄いなぁ。でも、今ではこのスタイルも当たり前になりつつあるので、本作は公開時に観てこそより衝撃的だったんだろうな。 (2024/1/5 鑑賞)
異様な評価の高さから観てみたがタランティーノ映画はタランティーノ映画だった
タランティーノ節が好きなら楽しいのだろうが、私はタランティーノが好きじゃないので面白くなかった
内容に関係ない意味のない会話が多い
会話が面白ければいいのだが、大体つまらない下ネタ 内輪ノリを見ているようだった
一人一人のキャラは個性的だが活きている場面・描写が少ない
間延びしている時が多くて退屈だった
じっくり間を取ったあとに大した事ないことするので肩透かしくらう
まぁ所詮これを含めて他人のレビューなんてあてにならんってこと
タランティーノという体験
初めて見た時は衝撃でしばらく席を立てなかったほど。
タランティーノという「体験」がなかったので、その強烈なバイオレンス描写にやられました。痛みが伝わってくる演出のうまさと、時系列を逆転して語るストーリーは、おしゃべりが多いセリフ劇の特徴と共鳴し、まるで誰かの事件を話し言葉で聴いているような不思議な体験でした。
そして音楽のチョイスも独特で、映画音楽と言えばオーケストラという定石を覆したのも、この映画がきっかけだった気がします。
当時無名だった俳優を中心に起用し、限定された舞台と、黒ずくめの衣装で、今見ても古臭くならないのもいいですね。
『ヘイトフル・エイト』は、ずいぶん長くて、キャストも一流俳優ばかり。でも、根っこにあるものはこの映画と同じです。密室空間で、限られた人数で、仲間の中に裏切り者がいるという、いわば、『レザボアドッグス』をリメイクしたようなもの。でも、全然この映画の素晴らしさを超えられませんでしたね。
デビュー作にして最高傑作と言いたいところ、『パルプフィクション』『ジャンゴ』『イングロリアス・バスターズ』なんて、それぞれ傑作だと思うので、どれも同じくらい好きな映画です。
【悪人たちの末路】
『パルプ・フィクション』を観てタランティーノ監督の虜になり、本作もTSUTAYAで借りて観させて頂きました。
結論から言わせて頂くと、暴力描写だらけなのにスカッとし、何処か哀愁も漂っている最強のクライム映画です。
全ての話を通して見ても、あまり派手な事が起こる映画ではなく、強盗シーンも描かないという斬新な映画です。
大体のクライム映画は、作戦を立て、犯罪を実行し、その後のキャラクター達の動向を追う。という展開が無難ですし、それでも面白いものは作れると思います。
ですが、本作の肝は『犯罪後の男達の悲劇』を細かく上手く描いており、一秒も目が離せません。
ストーリーは言わずもがな素晴らしいのですが、なんと言っても役者さん達の演技!一言で表しきれないほど、繊細でカッコイイ!としか思えないくらい、脳を破壊させられるダンディーさです。クライム映画の頂点だと、僕は思います。
伝説のタランティーノの傑作!
月に8回ほど映画館で映画を観る中途半端な映画好き。
なので専門的過ぎないライトな紹介を心掛けています。
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今年の初めに4Kリマスター版を鑑賞。
言わずと知れたタランティーノの傑作
ノワールコメディー?そんな言葉な無いな〜〜(笑)
前半、タランティーノ自身が演じる小物チンピラの
くっだら無い(笑)無駄話が続く中
他のチンピラがチップを払うの払わないので
揉めたりする結構長い場面。
ここ、無駄じゃね?と思いながらも
このウダ話の中にそれぞれの男たちの性格や、
力関係が浮かび上がり
これが最後のシーンでの関係性に繋がって行く。
後の映画に大きく影響するターニングポイント的な作品は
やっぱり一度は観ておいて損は無いです。
屯する腹をすかせた野犬たち
誰もが知ってる映画変態マニア、クエンティン・タランティーノの、監督脚本出演デビュー作。
【ストーリー】
ロサンゼルスを拠点とするマフィアのボス・ジョーの元に、息子エディと選りすぐりの6名の悪党たちが宝石強盗チームとして集められた。
彼らは互いをホワイト、オレンジ、ブロンド、ピンク、ブルー、ブラウンと色分けした偽名をつかい、互いの過去を詮索するなと命じられる。
周到な用意がなされた犯罪計画は、だが初手からトラブルにみまわれ、その後のミスも重なって完全に破綻してしまう。
ブラウンが頭を撃たれて死に、オレンジが腹部に弾を受けるという最悪の状態におちいり、リーダー格のホワイトは市民から車を奪っての逃走を余儀なくされる。
どうにかたどり着いた倉庫でも状況は暗澹たるもので、悪党たちの口論と仲間割れがくり返される。
暴力映画ならこの人、クエンティン・タランティーノのデビューにして出世作。
のっけからベラベラベラベラ無意味なこと喋りまくるタランティーノ本人からはじまる、その後の作品群を思い起こさせるオープニング。
さあ計画の始まりだ、と思わせて次のシーンですでに失敗してからの逃走、メイン舞台の倉庫へ。
そこから中間の場面や彼らの過去がフラッシュバックし、何故こうなったのか、そもそも男たちはどのような人物だったのかが倒叙的に語られます。
多用されるフラッシュバックの方が物語の本筋というほど長い独特の構成は、その後あちこちで見かけるようになり、近年では進撃の巨人でも使われた手法ですね。
銃を向けあう「メキシカン・スタンドオフ」という映画用語をメジャーにした作品でもあります。
犯罪映画なのにストーリーよりも存在感に重きをおいたキャラクター主導の作劇は、タランティーノ節というしかないスタイル。
場面の撮り方もスタイリッシュかつ暴力的で、VHS版のパッケージには「この映画、気に入ったぜ!」とあの深作欣二からの推薦の言葉もありました。
ヤクザ映画の大ファンだったタランティーノ監督、深作欣二と出会ったその夜に2人で日本酒三升空けたとか。
さすがバイオレンスの巨匠同士、命がけで飲んでます。
格好いいシーン続出、生々しい暴力が縦横に行使される、バイオレンス映画の傑作です。
爽快で奥深き味わいの一品!
2024年映画館鑑賞9作目。
33年ぶりのリバイバル上映を観てきた。
この映画の凄さはやっぱり、スジですね、脚本。
特殊な撮影技術も、編集技術も何も使っていない。ただ、時系列が遡ったり戻ったりの場面展開とそれを入れ込むタイミングが絶妙。脚本のアイデアが見事。
およそこれから強盗に行くとは思えない感じで「Little Green Bag」が流れてスーツの野郎どもが歩いていくスタイリッシュなシーンから、いきなり血まみれでのたうち回るオレンジと励ますホワイトのシーンに切り替わるこの落差。もうこれを観た段階で、こりゃ凄い映画かもしらんぞ、となった。
そこからの展開は、上で書いたとおり。色で呼び合う素性の知らない一匹狼どもの過去がうっすらと明かされる。この過去が実にあっさり必要最小限な描き方。主要人物の劇中の行動の背景や性格がわかる最小限の範囲だけ。これが小気味よい映画のテンポを崩さない。うーん凄い・・
ブロンドの耳切前のダンスは狂気と共に色気を感じる。
色気と言えば、瀕死のオレンジが血糊の海の上でぬらぬら蠢くのも何故か色気を感じる。監督はこの狂気の中の男の色気を映像に収めることを狙っていたと思う。
しかし、最後のトライアングルで対峙した3人が一斉射撃でぶっ倒れるのは、オイオイ、そんな訳ないだろ!と心の中で笑ってしまった。コントかよ!
スタイリッシュさと間抜けさ。狂気と色気。情けなさと可笑しさ。そんなものが一皿の上に盛られた、爽快で奥深い味わいの一品。おいしく頂きました。
忘れていた名作
先日、NHKの『映画音楽はすばらしい!』を見ていたら安田顕さんが
「この映画のサントラは何度も聴いていました」
と言っていてすっかり内容を忘れていたことに気がつきやっと見ました
全くほとんどすっかり忘れてる、覚えているのはオープニングのスローモーションだけだった
ぺちゃくちゃとお喋りが多いので昔見た時はあまりだったのかもしれませんね
今見ると結構面白い、たわいもない話ってこんな感じなんだろうな
しかしこの台詞、聞き逃してはいけないのだ
登場人物の背景が徐々にあらわになってくる
コレは映画というよりも舞台に近い
何なら誰もいない倉庫のシーンから始まっても面白そうだけどやっぱり最初のレストランからのスローモーションはどうしても見たくなるのでもうカットする場所はどこにもなさそうだ
何と言っても黒のスーツがカッコいい
『ブルースブラザース』でレイバンのサングラスに憧れましたがこの映画で黒のスーツが流行り出したのかも
あの映画やこの映画、多くの作品が頭をよぎります
タランティーノは面白い!
カイテル特集
パート2。あのハウリングがやっぱり出た、ティムロスとの絡みがちょっと男泣き。ロスの小話練習シーンも、彼の役作りを見ているようで仲々凄い。しっかしアメリカンジョークってどこが笑えるのかね?
残虐シーンにポップミュージックをかけるのはここから、今回も仲々の選曲だった。ただダイアローグだけでは保たない、ある程度のストーリー、チャプター仕立てを追加して「パルプフィクション」に繫がったんだろう。製作にモンテヘルマンの名を見つけびっくり。
チープなのにスタイリッシュ!
セットやロケに莫大なお金がかかりそうな、実際の強盗場面や派手な銃撃戦は描かない。けれど、逃げる途中で撃たれたオレンジを早々に登場させることで、ストーリーとしての緊張感を持たせる。それゆえに、倉庫の中のシーンが長くても全くダレない。
つくづく、予算をかけなくても、アイデアと工夫で素晴らしい映画がつくれるんだなと実感。
この脚本を考えた所からして、タランティーノってやっぱりすごい。この前パルプフィクションを観るまで食わず嫌いしていて申し訳なかったと改めて思った。
冒頭のわちゃわちゃした食事シーンから、リトル・グリーン・バッグが流れてタイトルが出るまでの流れるようなカッコよさと、直後にブラックアウトしてから、いきなり急展開に入る緩急のバランスなど、ホントによくできている。
そして、出てくる男たちみんな「吹き溜まりの犬たち」なのだが、その中に「ほんのちょっとだけコイツいい所もあるんだよね…」というのを見せつつ、「でもやっぱり、最後はどうしようもない結果になっちゃうよねぇ」という救いのなさがブレてない。
かけている予算も男たちの生き方もチープ。なのに、映画として、とてもスタイリッシュにまとめられている傑作でした。
ホワイト、ドンマイ…。
脚本は面白い
どうでも良い会話に他のメンバーとの関係性とその変化が垣間見えるのはいつも通りのタランティーノ。これが人気の一因らしい。
最初の円卓でカメラがわりと長回しでぐるぐる回って会話撮った後、音楽とタイトルが出る画面の何がいいのか?と思うけどね。こーいう演出に歓喜する人が多いことはわかった。
音楽で感情的な高揚を演出するやり方は幼稚に見えるので基本反対。しょーもない。
男達の裏切り、という発想だけで映画を撮っている感じが否めず、感動が無いし、もっとマイナーな俳優達を起用しても良かったと思う。ティム・ロスも同時期に『ユリシーズの瞳』に出演していたカイテルも彼等である必要があるのか疑問。
心地よい緊迫感
冒頭の長話。くだらない話なのだが、始まりから終わりまで緊張感がある。この緊張感は、映画の終わりまで途切れることがない。
個性的で格好良い登場人物達による会話劇。それが一気に畳み掛けるように集結していくラスト、命懸けで自分の矜持を貫き通す男達。
決して特別な中身が有る訳では無いが、彼等の姿には爽快を通り越して快感すら覚える。
改めて傑作
採点4.6
レザボアのリマスター上映、昨年末の上映アナウンスからずっと楽しみにしてました。
何度か見てますがスクリーンでは初めてなんです、どうしたってワクワクするでしょう。
さて、誰もが知るタランティーノ初監督作品。
先に脚本を手がけた「トゥルー・ロマンス」や「ナチュラルボーンキラーズ」での受難。
そしてもう待ちきれないと、友達をキャストに起用して自主制作しようとしていた所に舞い込んだ奇跡的な流れ。
その後プロデューサーとして長い付き合いとなるローレンスベンダーとの出会い。ラブコールを送ったハーヴェイカイテルの快諾と惜しみない協力。彼の特徴となる長回しに反対が多い中背中を押したテリーギリアム。
こんな出会いの連続で産まれた作品なんですよね。
まず冒頭のマドンナの件。こんなどうでも良いような喋りの長回しは見たことが無く、最初から釘付けでした。
そこからの「Little green bag」の入れ方とか凄いですね。今でも鳥肌が立つようなオープニングです。
物語のほとんどを倉庫で展開させ、バックボーンや犯行時の様子を前後に散らせた斬新な構成。
ハーヴェイカイテルをはじめ、男臭いキャスト陣も見所の一つです。
また「パルプ」や昨年公開されたドキュメンタリー「映画に愛された男」を観た後だと、小ネタや裏側が分かり更に面白くなるんですよね。
あと何と言ってもリマスター版はきれいでしたね。
それと音響も良くなってました。
これを劇場で観れて本当に良かったです。
それにしても、これがデビュー作ってすごいですよね。
そして残念ではありますが、次回作にして引退作となる「ムービークリティック」もとても楽しみです。
改めて、傑作でした。
スイカと天ぷら
映画はひたすら単純明快なエンタメを求めてしまう私にとって、タランティーノ作品はあまり食い合わせがよくないらしく、大変評判のいい三作、パルプ・フィクション、キルビル、イングロリアスバスターズをそれぞれ鑑賞したものの、ああ、そうなのね、ぐらいの感想しか出てこなかった。
ならばと思い、原点に戻って監督処女作となるレザボア・ドッグス、英語の読み方的にはリザーバー・ドッグスになる気がするなーとか思いつつもまあともかく鑑賞。
宝石商の店に強盗に入るために、ロス裏業界の大物ジョーは6人の腕利きを集める。それぞれの腕利きたちは万一逮捕された時のために身分をお互いに把握しないようホワイト、ブルー、オレンジ、ブロンド、ブラウン、ピンクと色の名前で呼ばれる。
作戦決行の当日、店を襲撃した6人だったが、待ち構えていた警官に取り囲まれ、そこで突然キレて発砲しまくったブロンドと呼ばれる男のせいで激しい銃撃戦に。
命からがら逃げてきたホワイト、オレンジの二人は、待ち合わせ場所の倉庫に向かう。
オレンジは逃亡の際に腹を撃たれて重傷、ホワイトがオレンジを励ましつつ車を倉庫に向かわせる。
倉庫に着いて程なくすると、ピンクが一人で戻ってくる。ピンクはひどく興奮し、仲間の中に裏切り者がいると言い出す。でないと説明できないほど警察の到着が早かったと。
彼らは倉庫で仲間を待ちつつ、誰が裏切者かを話し始める。
タランティーノらしく人がバサバサと殺されていくシーンがあるわけではなく、会話の中で激しい銃撃戦があったこと、仲間の何人かは殺されていることなどが分かる。でもいつもよりは血の量は控えめ。時系列を相前後させてそれぞれのキーとなる人物に起こった出来事を振り返りつつ、メインの話の流れに集結させていくのは、伏線回収ではなく今の状況を過去を手繰り寄せて見せていく手法を取っていく。
正直、やっぱりスッキリする感じでも高揚感を感じるでもない結末はあまり得意ではない。けどその後の映画に与えた影響をそこかしこに感じつつ、この監督でなければこの映画は撮れない唯一無二感はしっかり感じる。
きっと好きな人は大好き。そういう映画。
低予算でやれることを全てやり切った。
この映画のすごい所は、同じ所(廃工場)でまるでコント劇の様に繰り広げる展開は、B級映画ならではだけど、ここまでの面白さは、観たことない。いや、とっくに面白いと言う枠を超えている。まだ無名で一般人上がりの監督だったタランティーノがデビュー作でこの快挙はすごい。
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