「葉巻、警察バッジ、ドーナツ」ルーキー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
葉巻、警察バッジ、ドーナツ
“You got the light?”いつでも葉巻を口にしているニック・スタロフスキ刑事(イーストウッド)。前半だけで4回も言っていた。金持ちのボンボンであるチャーリー・シーンが見事にはまり役だったが、幼い頃に誤って兄を死なせてしまったことがトラウマとなっているという強調してもいい設定が薄い。もっとシリアスなシーンで回想してもいいはずだ。この辺りはストレート過ぎるほどのイーストウッド演出のためだろう。そして、金持ちのボンボンが警官になるというのは「こちカメ」の中川を思い出してしまいますね。
情報屋も殺され、二人で解決しようとカジノに乗りこんだが、デヴィッドがカンフーの女を撃つこともできずに、ニックが捕われてしまった。なんとか助かったデヴィッドが単身調査し始めるといったストーリー。イーストウッドはポーランド男。悪の親玉ストロムはドイツ男。その悪役が憎んでいるのが警察とイタリア人だ。ここだけでも国家間の憎悪関係が見え隠れする。
ダーティ・ハリーのイメージをそのまま引きずってはいるが、たまに見せる笑えるシーン。自虐的な要素を折り込みながら、ハリーを引退して、次世代ヒーローを作り上げたかったのだろう。が、彼はヒーローになりきれずにコメディアン路線に走ってしまうところが面白いところだ。
ニックの身代金が200万ドルだということを考えると、『ミリオンダラー・ベイビー』の上をいってるってことですな。葉巻だけが伏線かと思っていたら、警察バッジやドーナツもそうだったか・・・
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