リリー
劇場公開日:1953年10月6日
解説
「愛の決断」のエドウィン・H・ノッフが製作し、「イースター・パレード」のチャールズ・ウォルターズが監督にあたったテクニカラーのミュージカル、1953年の作品。ポール・ギャリコ「打撃王」の原作を「キング・ソロモン」のヘレン・ドイッチェが脚色した。撮影は「錨を上げて」のロバート・プランク、音楽は「北の狼」のブロニスロー・ケイパーの担当。主演は「三つの恋の物語」のレスリー・キャロン、「血闘」のメル・ファーラー、「乙女の湖」のジャン・ピエール・オーモン、「三つの恋の物語」のザザ・ガボールで、アレックス・ゲリー、ウィルトン・グラッフ、カート・カズナーらが助演する。
1953年製作/アメリカ
原題または英題:Lili
配給:MGM映画会社
劇場公開日:1953年10月6日
ストーリー
フランスのある田舎町にみなし児の少女リリー(レスリー・キャロン)がやって来た。彼女は今年16歳、父に死なれてこの町に知人を頼ってきたのだったが、その人はもうこの世にいなかった。途方にくれたリリーは、思いがけなく、見世物の若い魔術師マーク(ジャン・ピエール・オーモン)に救われ、見世物小屋の給仕娘に雇われた。だがリリーは、マークの颯爽とした舞台姿にすっかり熱をあげてしまい、仕事の方はまるでお留守にしたので、たちまちクビにされてしまった。リリーは悲しみのあまり自殺しようとしたが、人形芝居の人形たちが彼女を優しくなぐさめてくれたので、彼女の心も明るくなった。これは人形使いポール(メル・ファーラー)の計らいだった。彼は人形を巧みに操ってリリーに話しかけたのだが、リリーは人形がほんとに話したのだと思い込んだ。ポールはリリーを一座に加え、彼女を人形たちと一緒に芝居させることにした。やがてポールはリリーを深く愛するようになったが、彼は不具の身を恥じて打ち明けることが出来なかった。かつてポールは有名なバレーの踊り手だったのだが、戦争で脚を負傷したので人形使いになったのだ。彼はリリーがマークに想いを寄せていることを知って、余計怒りっぽくなった。ある日、マークはある大ホテルに出演するため、相手役のロザリー(ザ・ザ・ガボール)と一緒にこの町を去って行くことになった。リリーは驚いた。しかもマークとロザリーは内密に結婚もしていたのだ。夢中になってマークの後を追おうとするリリーをポールは強く引きとめた。だがそれはリリーの気持ちをいよいよマークの方へつのらせるばかりだった。リリーは荷物をまとめて果てしない田舎道を歩いて行った。彼女の頭にはいろいろな想い出が駆けめぐっていく。彼女は懐かしい人形たちと次々に踊っていた。踊っているうちに人形たちはきまってポールの姿になってしまう。リリーはやっとポールの優しい愛情に気がついた。彼女は一目散に道をとってかえして、ポールの腕に抱かれた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- チャールズ・ウォルターズ
- 脚色
- ヘレン・ドイッチュ
- 原作
- ポール・ギャリコ
- 製作
- エドウィン・H・ノッフ
- 撮影
- ロバート・プランク
- 美術
- セドリック・ギボンズ
- ポール・グロッシー
- 音楽
- ブロニスロー・ケイパー
- 歌
- ヘレン・ドイッチュ
- ブロニスロー・ケイパー
- 録音
- ダグラス・シアラー
- 編集
- フェリス・ウェブスター
- 振り付け
- チャールズ・ウォルターズ
- テクニカラー・カラー・コンサルタント
- ヘンリー・ジャッファ
- ロバート・ブロウアー
受賞歴
第26回 アカデミー賞(1954年)
受賞
作曲賞(ドラマ/コメディ) | ブロニスラウ・ケイパー |
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ノミネート
監督賞 | チャールズ・ウォルターズ |
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女優賞 | レスリー・キャロン |
脚色賞 | ヘレン・ドイッチュ |
撮影賞(カラー) | ロバート・プランク |
美術賞(カラー) |
第11回 ゴールデングローブ賞(1954年)
受賞
最優秀脚本賞 | ヘレン・ドイッチュ |
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