「【”ロクデナシな男の密やかなる善行。”今作は無職で酒飲みの善なる男と、友人の芸術家が偶然に人殺しを匿った事から起こる、一人の女を巡る悲喜劇を描いた逸品である。】」リラの門 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”ロクデナシな男の密やかなる善行。”今作は無職で酒飲みの善なる男と、友人の芸術家が偶然に人殺しを匿った事から起こる、一人の女を巡る悲喜劇を描いた逸品である。】
■仕事もせず年老いた母が働く中、日々酒を飲んで過ごすジュジュ(ピエール・ブラッスール)。
ある日、臨家の友人でもある芸術家(ジョルジュ・ブラッサンス)の家に警官殺しのピエール・バルビエ(アンリ・ヴィダル)が逃げ込んでくる。
2人は彼を追い出そうとするが、手から血を流している事に気づき、芸術家の家の地下室に匿う事になる。
ジュジュは、密かに想いを寄せる酒場を営む男の娘のマリア(ダニー・カレル)に、その事を喋ってしまう。
彼女は一人で芸術家の家に行った際に、ピエールに脅されるもキスをされ夢中になり、彼の南米に行こうという誘いに乗ってしまうのであった。
◆感想
・ジュジュはロクデナシではあるが、暴力は振るわない。何処か、達観したかのように毎日を生きている。それは友人である芸術家も同じである。
・二人は、イケメンの殺人犯ピエール・バルビエを最初は拒絶するが(当たり前である。)怪我をしているのを見て、手当てをし地下室に匿って上げるのである。人が良いとしか言いようがないが、今作を観ているとそれが当たり前のように思えるのである。
・ピエール・バルビエは芸術家が演奏をするマリアの父が営む酒場に出掛け、自分がキスをしたマリアがカウンターの中で働いている姿を見る。
そして、マリアを誑かして父親の金を盗ませて、共に南米に行こうと誘うが、実は彼はマリアとは別の地に行こうとしていたのである。
・その事実を知ったジュジュは、彼を問い詰める。そしてピエール・バルビエから拳銃を向けられるも怯まずに、マリアの為に立ち向かうのである。そして倒れ込んだ二人から銃声が響くが立ち上がったのは、ジュジュ一人だったのである。
<今作は無職で酒飲みの善なる男と、友人の芸術家が偶然に人殺しを匿った事から起こる一人の女を巡る悲喜劇を描いた逸品である。>
