「パラレルワールド②」ラン・ローラ・ラン live_at_luxorさんの映画レビュー(感想・評価)
パラレルワールド②
こないだ「バタフライエフェクト」で書いたパラレルワールドの世界観が
ここでも出てきました。(といっても公開はこっちが先か…)
公開時にTVで某映画評論家の方が褒めてた記憶がうっすらとあって
そういえばまだみてないや…と何となく手に取ったのですが、
まずこういう展開だったというのはちょっと意外。嬉しい誤算です。
まずはオープニングでのルール説明的なプロローグ。
(ど頭なのであえて多少ネタバレしちゃいますが)
“我々は全ての研究を終えて初めて出発点を知る。 T.S.エリオット”
“試合前とは試合後のことだ。 S・ヘルベルガー”
ナレーションバックで全編を通して流れるテクノのリズムの中、
雑踏の中からちょい役の方々が次々登場しては消えて行き
「ボールは丸くて試合は90分。それが事実であとは推測さ。」
と、サッカーに例えて言っている言葉でタイトル画面に移ります。
初見ではここまでなんのことやらさっぱり…
とりあえず流れに身を任せるしかない掴みの部分ですが
これが後々になってつながってくるので観る時は良く覚えておいて下さい。
その後の本編が始まって30分はまぁ予想通りの展開。
アニメーションやモノクロシーン、リズムに合わせたフラッシュ画像などなど
映像と音楽には凝って撮ってるなぁ~くらいに流して観てしまいます。
そしてターニングポイントのシーン。
始まって30~40分で早くもいわゆるエンディングに。
・・・・・・? 終わり?
と戸惑っていると主人公が呟きます。
「ストップ」
すると場面は冒頭のシーンからやり直し。パラレルワールドの始まりです。
平行世界なのか、時間が戻ったのか、そもそも想像だけで時間は経ってなかったのか、
分からないまま同じシーンが微妙に変化を起こしながら再び繰り広げられます。
まぁプロローグからすると恐らく「想像」ですかね。
1つの判断の違いや微妙なタイミングの差でどんどん変っていく結末。
これを何回か繰り返して、いろいろに変わる小ネタや結末を楽しませてくれます。
観る前のイメージとしてはただ走る、走る、走る…のビジュアル勝負。
その中でちょっとした小ネタとか人間模様を挟んでくる位に考えてましたが、
いざ観てみると短い上映時間(81分)をより短く感じさせる魅力がいっぱい。
決して単なる若者向けミクスチャー映画に終わっていません。
思わぬところで良作に出会えました。
個人的にはバタフライエフェクトよりもこっちの方が好みかな。
※他サイトより転載(投稿日:2008/02/28)