「心に負った傷が彼を孤独にする」ランボー しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
心に負った傷が彼を孤独にする
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ランボー・シリーズ第1作。
"木曜洋画劇場「放送2000回記念第4弾!」" で鑑賞。
初鑑賞時はまだ子供で、ランボーと乱暴を混同していたバカガキでした。その時は、ストーリーについては殆ど理解出来ておらず、ただ暴れ回るランボーを観ていただけでした。
大人になった今、ランボーが抱えている背景の知識を得たことで、胸が締めつけられるような痛みを感じました。
凄惨を極めたベトナム戦争は、英雄となったランボーにいったい何をもたらしたのでしょう。過酷な戦場体験。祖国からのバッシング。無念と疎外感。深い心の傷。なんと酷なのか。
余所者と云うだけで目をつけられ、何もしていないのに勾留されたあげく、警察官に理不尽な仕打ちを受けたことで、戦場で受けた拷問の記憶が蘇り、堪忍袋の緒が切れる。「向こうが仕掛けた戦争だ」。いやはやごもっとも。
やり過ぎ保安官も朝鮮戦争からの帰還兵でしょうが、そちらとこちらでは背負っているものの種類が違う。そこに起因した軋轢があるのかもしれません。そんな彼が、ランボーに足元から銃撃されて転落するシーンで溜飲が下がりましたが、同時に物悲しさも感じてしまい複雑な心境でした。
クライマックスのトラウトマン大佐への告白にジーン…と来て、めちゃくちゃ考えさせられました。ランボーのような人を生み出してしまう戦争を、憎み続けるべきです。
[以降の鑑賞記録]
2008/05/22:木曜洋画劇場
2020/08/27:Amazon Prime Video(4K,吹替,レンタル)
※修正(2023/11/29)
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