ララミーから来た男のレビュー・感想・評価
全8件を表示
ジャック・イーラム特集?!
監督アンソニー・マン、主演ジェームズ・スチュワートの名コンビによる傑作西部劇。
ワイオミング州のララミーから物資の運搬を請け負い(事実上の用心棒)、ニューメキシコ州の町コロナドにやって来た元陸軍大尉のウィル。バーバラの亡父の言葉を借りれば「欲と殺人の上に築かれた町」に君臨するのは大牧場バーブの主アレック。
過去に手荒な手段で牧場を拡大したことを自覚し、今でも「農民や牛泥棒は追い出す」と容赦なく言い放つが、ステレオタイプの独裁者ではない。
最愛の妻に先立たれたことを己の悪行の報いと思い込んだアレックは一家を滅ぼしにくる男の悪夢に苛まれていた。甘やかして育てた一人息子のデイブは町に着いたばかりのウィルと一悶着を起こすが、ウィルの登場にアレックは悪夢の男の影を感じ…。
騎兵隊の斥候だった年若い弟がアパッチ族に殺された原因を辿って主人公が現れるという設定にもかかわらず、先住民を敵視した内容に描いていないのが本作の特徴。
先住民に同情的な作品は1950年代半ば以降多く製作されるが、それ以前にも散発的ではあるものの無かったわけではない。それらの多くはあらたに渡米してきたヨーロッパの映画関係者や、ユダヤ系の人たちが製作に関わっており、本作のA・マン監督と脚本(共同)のフィリップ・ヨーダーンもユダヤ系。ヨーダーンの手掛けた作品には、『大砂塵』(1954)や『無頼の群れ』(1958)といった異色西部劇もみられる。
子供の頃からマカロニ・ウエスタンの大ファンで、ハリウッドの西部劇映画も積極的に観るようになったのは、この十数年ほどのこと。
それまで『グレン・ミラー物語』(1954、これもマン監督)のイメージしかなかったスチュワートは、西部劇ではけっこう荒くれた役もこなしているが、今回のウィルはひときわ血の気が多い。彼の役柄だけでなく、暴力的な演出が目立つのもこの映画の特徴。本作の製作から十年も経たずしてマカロニ・ウエスタンが誕生したのも、時代の必然だったのかも。
当初、常識的な人物として登場する牧童頭のヴィック。実は彼こそがウィルの弟殺害の元凶で、保身と我欲に抗しきれずに闇に堕ちた揚げ句、ウィルの弟同様アパッチに惨殺される。結果的に悪い白人が先住民に成敗されるという結末を迎えるが、この場面も当時としてはかなり衝撃的。西部劇としては異色過ぎて、本作には修正主義的西部劇なんて評価も。
弟の仇をとって町を去るウィルにはハッピーエンドだが、父親に続き恋人も失ったバーバラにとっては果たして…?!
NHK-BSにて鑑賞。
先々週の『夕陽に立つ保安官』(1968)、先週の『地平線から来た男』(1971)に続き、今回もジャック・イーラムが出演と、まるでJ・イーラム特集。ひょっとして次週はS・レオーネ監督の『ウエスタン』(1968)?!
…なんてことはないみたい。
権力を持つ家族の裏切りと崩壊を描いた人間ドラマだ。
復讐に燃える男と、牧場主の一家を軸に、嫉妬や恨み、親子関係の裏切りと崩壊を描いた異色の西部劇。話は全然違うが、『リア王』に通じるものを持っていると思った。
ウィルは、インディアンに連発銃で殺された弟の仇をとるため、インディアンに連発銃を売った男を探している。ウィルは、湖から塩を取っていたところを、町を牛耳るバーブ牧場の連中に襲われる。
バーブ牧場の牧場主アレックは、粗暴な息子デイヴと、親子同然に接してきたヴィックを抱えている。また、アレックには、美しい姪っ子バーバラがいる。その一方、バーブ牧場と対立する女牧場主・ケイトは、アレックの元婚約者だった。
血の通った人間関係こその苦しみや憎しみ、暴力を、深い洞察に基づいて描いた犯罪ドラマだ。西部劇というよりは、小さな町で権力を持つ一家を舞台にした、おおいに見ごたえのある人間ドラマと言える。
J・ステュアート主演、なかなか面白い西部劇。 登場人物それぞれが曲...
ジェームズ・スチュアート
人がいいスチュワートの西部劇
とてもよかった
友達みたいな男が最終的に一番の悪者になるのが面白い。おばあさんが意地悪じいさんとくっついて、おばあさん心がひろい。主人公の目的が謎のまま物語が進んでミステリー要素が強かった。主人公がラバに乗っていたがよかった。
全8件を表示