ラ・スクムーンのレビュー・感想・評価
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ベルモンド・トマトケチャップ
原作・監督のジョゼ・ジョヴァンニ自身が正真正銘のならず者だったので、勝手知ったる世界を描いていることになる。この作品も刑務所で知り合ったモデルとなる人物がいたらしい。
フィルム・ノワールは好きなジャンルだが、ジャン=ピエール・メルヴィルのような品格がなく、大味だ。ギャングとの攻防もちぐはぐで、さして見せ場がないし、盛り上がりに欠ける。途中からは刑務所ものになってしまい、さらには「ヒトラーの忘れもの」みたいな展開になる。血の色の赤が不自然なのも気になった。
クラウディア・カルディナーレは「大盗賊」の時の方が美しかった。
ベルモンド版「男たちの挽歌」
ベルモンドはじめ、女性、男性のファッション楽しめました。
世話になった恩人であり友人との結びつきがメインでベルモンドの映画では珍しいテーマだと思った。二丁拳銃で撃ちまくるなど「男たちの挽歌」を彷彿とさせた。場面変換が急で話がブツブツ切れる箇所が多いのが残念でした。フランスの刑務所がどんな感じかベルモンド映画で詳しくなった気がする!ちゃんと脱獄してくれたらもっと良かったです。
ベルモンドの暗黒街年代記
ベルモンドが寡黙な暗黒街の男を演じるストレートなフィルムノワールで、罠にはめられ投獄された友を助けようとする男の友情にグッときます。原作、監督がノワール作家のジョゼ・ジョバンニなんで、戦前から戦後にかけての裏社会に生きる者の哀愁がよく出ています。とは言え、あまり説明もなくブツ切りのシーンが多いので人間関係やお話の背景が分かりにくく、全体的に古色蒼然としているのが残念です。役者では、ベルモンドのコミカルさを排したふてぶてしいキャラがいい味です。友人役のミシェル・コンスタンタンも、迫力のあるマスクでインパクト大でした。
一旦、悪の道に入ったら抜けられないという虚しい世界
ボスに騙されて、無実の罪で懲役20年を食らったグザビエ。なにしろ、裁判の直前に証人である娼婦が殺されたのだ。自白すれば刑が軽くなるなどと甘い言葉にも誘われた。
長身の黒人2人組を殺して自ら捕まるロベルト。刑務所内であれこれ脱出の計画を立てるが、そのうちドイツ軍との交戦状態になったパリ。希望の光だったオルガン弾きも殺されてしまい、志願して恩赦という道も絶たれたが、地雷撤去作業に志願した二人。グザビエは左腕を失ったが、無事生きて出所する。復讐相手に無理矢理証書を書かせて土地と店を手にいれ、新天地で足を洗おうとするロベルトだったが、またしても抗争。グザビエは殺されてしまい、希望もなくしてしまった。
一旦、悪の道に入ったら抜けられない。虚しい世界だ・・・
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