ライムライトのレビュー・感想・評価
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後期のチャップリン映画
実際にチャップリン人気も低迷していた頃の作品ともあって、自伝的で切ない。ラストのたっぷり尺を使ったバスター・キートンとのパフォーマンスは普通に笑った。彼は、この作品を撮って、救われたかったのだろうか。
The glamour of limelight, from which age must pass as youth enters. 沢山の大事な言葉
チャップリンの人生観というか人生哲学がメチャメチャ詰まった作品でした。
人生において大事な言葉が沢山チャップリン扮するカルヴェロから語られます。自殺未遂の女の子を励ます形で大事な事を伝える。若者を老人が導き、また老人も最後に一旗上げる。一歩間違えれば説教臭くなる言葉を自然に作品に染み込ませている。この脚本力が素晴らしい。やっぱり天才ですな、チャップリンって。
そして公開当時は既に63歳だったというのに体の動きが半端ないです。最後の舞台はもちろんの事、途中途中のシーンでもちゃんとチャップリンの動きで老いを全く感じさせない。チャップリンの私生活は詳しく知らないのですが、日頃からワークアウトしてないとあの年齢であの動きはできないのではないでしょうか?それとももう体に染み付いてて自然にできるようになってたのかな?
コメディアンって人を笑わせる為に人の感情の動きをスゴく考えてるんじゃないかなっと思うんですよね。だからコメディアンの作ったドラマはグッとくる物が多い。本作は天才コメディアン、チャーリー・チャップリンの晩年の傑作だったと思います。
笑えないチャップリン
チャップリンが、素顔でシリアスな作品を演じる。
チャップリンが演じるのは、かつての喜劇王カルベロ。
あえて(?)笑えない『ノミの曲芸』などを見せる。
笑いは全く無し。
それでも、チャップリンの芸達者ぶりは相変わらず(^^)b
シリアスだけど、ストーリー展開は急に話が飛ぶような、理解しづらい展開が見られるが、驚くようなストーリーでは無かった。
まぁ、この作品は、テーマ曲が名曲過ぎますわ♪
チャップリンとキートン
チャップリン、最後のアメリカ作品で、一時代を築いたキートンとのコンビ芸を観ることができる。
落ちぶれたコメディアン(チャールズ・チャップリン)はいつも酔いつぶれていたが、アパートで自殺未遂の美女(クレア・ブルーム)を助けてから人生が再び動き始める。
喜劇役者の悲哀が強烈で、悲しいけど笑える作品。
少しよりたくさん
「なぜ死に急ぐ?」
「苦しいのか?」
「苦しみが重要だ、あとは幻想だ」
「意識は何十億年もかかって進化した、君はその奇跡を消そうとする、宇宙全体よりも大切なものを」
「星にも太陽にも意識などない、でも君にはあるんだ」
こうやってこの物語は始まっていく
そう、今ここに私が居ることもすでに奇跡なのだ
遥か昔に何か少しでもボタンのかけ違いがあったなら『今』は存在しないだろう
自ら死を選ぶことも計算済みなのかもしれないが
生きることは何事にも変え難く厳しく辛く美しく尊いものなのだ
「あ〜生きててよかったな〜」と一瞬でも思ったらそれを大切にして大いに喜び満面の笑みをたたえよう
誰かのためでもいい、自分のためでもいい
どうせ必ず死ぬのだから急ぐことはない
我慢し難い苦しみならば逃げ出したってかまわない
逃げることも方法の一つなのだから間違えじゃない
強い人ばかりじゃないのだからかまわない
世間などどうだっていい、今生きていることが素晴らしいのだから
There’s greatness in everyone. But as a crowd, they’re like|a monster without a head that never knows which way|it’s going to turn. It can be prodded in any direction.
「誰にもいいところがある。
ところが、群衆になると、彼らは頭のないモンスターのようにどこへ向かおうしているのかわからなくなる。どっちの方向へも突き動かされる。」
勇気と想像力が乏しいと人は群れたがりいとも簡単に個人の意識とは違った方向へ行ってしまう
自分で選んだ方向だと思い込み皆んなが言っているから私も正義なのだと思い込んで何も疑わず異なる意識の者を非難する、泣こうが叫ぼうが非難の手は緩まない
たぶんそれが生きていく術になっているのだろう、群衆の意識を変えることはより大きな群衆が居ればたやすく寝返るのだからほとんど意味がないのだ
All it needs is courage, imagination and a little dough.
「必要なのは、勇気と、想像力と、そして、少しのお金だけさ」
きっとこの台詞が1番有名ではないでしょうか
少しのお金だけ とは 逆に言えば大きな勇気と多くの想像力と言っているのだと思います
私も自分の意識を強く持ち流されずに少しばかりお金を稼いでいこうと思うばかりです。
チャップリンの白鳥の歌、舞台に死す
チャップリンの実質的な白鳥の歌。ハリウッドを追われるチャップリンの、アメリカ映画に捧げる遺言にも取れる、巨星の個人的心境が反映された作品。サイレント映画の「サーカス」のときは、離婚訴訟のトラブルでの孤軍奮闘する自虐的な笑いを印象付けたが、還暦を過ぎたチャップリンは、芸人としての出発点に帰り、世界に一つだけの至芸を見せてくれます。バスター・キートンとの共演舞台は、掛け替えのない映像遺産と云えましょう。
社会批評映画「モダンタイムス」「独裁者」「殺人狂時代」を辿り、再び以前の人間主体の映画に戻って、自身の老いを自覚した人生ドラマを描く。映像技法も話法も同時代の映画と比較して古めかしいが、そこに喜劇俳優・監督チャップリンの変わらぬ誇りと威厳を感じます。
同じく還暦を過ぎたヴィスコンティが遺した「ベニスに死す」との共通項も少なからずあって興味深い。初老の芸術家が若い人と接触し、刺激を受けて若返るところが似ている。
超有名なテーマ曲を聴くだけでも値打ちがあります
ドタバタ喜劇、ちょいとホロリ
どた靴、山高帽、小さすぎるモーニング、ステッキ、ちょび髭、ピエロ風のメイク
このイメージがチャプリンです
そしてサイレント映画
その映画を観たいとお思いなら、本作ではありません
街の灯とかモダンタイムスといった作品をまずご覧になるべきです
ユナイテッド・アーティスツ時代の1936年のモダンタイムスまでがお勧めです
本作はその後でご覧になるべき作品と思います
おそらく本作はチャプリンの惜別の挨拶です
完全なトーキーです
モダンタイムスのようなトーキーなのにサイレントのふりはしていません
チャプリンも普通に話しますし、普通の服を着ていたり、普通の顔をさらします
カメラワークも昔風のそれではなく、1952年当時なりの現代とそう変わらないものです
往年の人気喜劇俳優としての役でピエロ姿で沢山登場しますが、冒頭に述べたような、これぞチャプリンと言うものではありません
テリーの公演の高い芸術性のあるシーンはとてもチャプリン作品を観ているとは思えないほどのものです
とは言え、クライマックスの一流劇場での演芸興業シーンは流石の芸を見せてくれます
超有名なテーマ曲を聴くだけでも値打ちがあります
●頑固なオヤジの物語。
今や昔の喜劇王。酒浸りだ。ある日、うら若き娘の命を救う。奇妙な同棲が始まる。喜劇王は返り咲きを狙うも世間は冷たい。ピュアな娘は才能を開花する。やがて娘の前に魅力的な若者が。葛藤するふたり。
オレなら寂しさに負けて娘の世話になっちゃうなあ。
よくも悪くも頑固はほどほどがいい気がする。
赤狩りの逆風下での作品と考えると、思うところがないわけでもない。
チャップリンはなにを思ってこの作品を作ったのだろう。
主題曲「エターナリー(テリーのテーマ)」が心にしみる。
とても素敵な言葉ばかり さいごそうなるのか。。。 チャップリンてそ...
とても素敵な言葉ばかり
さいごそうなるのか。。。
チャップリンてそういうのつくるのか
4.4
今まで観てきたチャップリンの映画と少し違った。チャップリンが歳をとっていたからというのもあるけど、今までにない深妙さがあった。とは言っても、笑えるし最後には泣ける要素もある。
この映画は名言がたくさんあった。よく知られた有名な名言もあるけど、バレリーナを励ますときとか、結構深い名言をよく言っていた。
「生きる意味なんていらない」とか「瞬間を生きろ」とかとても勇気づけられるし、安心する名言がたくさん。
そして1番印象的だったのが「客は個人としてはいい人達だが、集団になると頭のない怪物で、どの方向にも向けられる」という台詞。政治家や広告代理店などから、ぼくたち大衆はしばしば愚かな民としてみられている。それは一体どういうことで、何が問題で、本質は何なのかしばらく考えていたので、この台詞を聞いたとき、とても心に響いた。
とても哲学的で重たいテーマを扱っているにも関わらず十分に笑えて、あれだけ楽しく観られるのだから、チャップリンは本当に天才だと思った。チャップリンが道を歩くだけでそこに世界ができるので、彼はもう芸術家でもあると思う。
男はつらいよ
サイレント時代は表情や動きでしかメッセージが伝えられなかったからだろうか、今と比べトーキー草創期の映画の方が台詞力が強いと思う。
「独裁者」で床屋が演説の最後に語るハンナへの言葉。
本作で語るテリーへの言葉。
今では人生讃歌として人間哲学として語り継がれる名言なのですが、床屋もカルヴェロも純粋に「恋する人を励ましたいっ」という思いから発した言葉だと解釈しています。
好きな人に幸せになってほしいという一心で精一杯笑わせるカルヴェロの姿は、まさに車寅次郎のルーツ!
この映画が無ければ「男はつらいよ」は無かったかもしれませんね。
「街の灯」と並ぶ究極のラブストーリー♪
何度観ても、いくつになっても、涙涙涙なのです。
暖かい光の方へ
「人生に意味はつけなくていい、その瞬間を真摯に生きることが、その人の生を美しく豊かにする」ということを今作から感じ取りました。
SPRING HERE ♪
(春がここに 鳥が鳴く スカンクが這い回り 愛を求めてしっぽを振る・・・)
カルヴェロが見た夢の 愛の歌のシーンが、私のダントツお気に入りです。
二人の恋は春の目覚めのように始まり、生命の清水が樹木の間を流れていくように、少しづつ思いを積み重ね、途切れぬ愛を温めてきました。
それぞれが助けが必要な時に、引きつけ合うように寄り添える二人が慎ましいと思いました。また、テリーの、カルヴェロに語りかける時の、内面から溢れ出る美しさに心奪われました。
幸福と哀愁はいつもセット。生きるということの喜怒哀楽が素直に伝わってくる作品に感動できたことも嬉しい。
この素敵な出会いを契機に、他のチャップリン作品も観てみたいと思いました。
泣きそうですよ、私
なんだろうか、このストレートな感動は…
ひねくれたところも、格好つけたところもなく、ただただ映画の感動をもたらしてくれる、そんな映画だったよ… 現代の多くの映画でどこか欠けている素直さが、ここには詰まってるような気がしました。
テリーがポスタントの前で初めて踊る時の証明の美しさったらないよ。テリーの成功の瞬間を見つめるチャップリンの表情の純粋さったらないよ。
ちょっとうまく言い表せないですけど、心動かされる映画でした。
挫折の後も人生は続く
総合70点 ( ストーリー:80点|キャスト:70点|演出:60点|ビジュアル:60点|音楽:75点 )
かつては栄光の日々を送った芸人が、身から出た錆で身を持ち崩しどん底生活を送る。彼の山あり谷ありの過去から、若き踊子との出会いから始まる年老いてからの新たな半生を描く。
単純な再生の話でも幸せな話でもない。不幸な境遇を分かち合い支え合うことが出来る二人と、歳をとってからの恋とそれを受け入れられない戸惑いと、過去を捨て栄光を捨てしがない町の芸人として底辺の生活をする。そのような主人公の姿がやるせない。
だが古い映画なので演出も古めで演技が演技っぽいし、舞台の場面はつまらなかったし時間も長くとりすぎだし実際長く感じた。話はいいから現代的な演出で再映画化すれば面白いかも。チャップリン自身の作曲の主題の音楽は良い。
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