劇場公開日 1997年6月14日

「コミカルさに隠れた嘘と真実の深み」ライアーライアー きーとろさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5コミカルさに隠れた嘘と真実の深み

2019年4月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

楽しい

ジムキャリーがとにかくおもしろい。動きも表情も喋り方も、全てがおもしろかったです。

マックスとフレッチャーのやりとりが凄く微笑ましくて、ずっと見ていたくなりました。アイアンクローとかプレゼントのシーンとか。
オードリーの複雑な心理描写も良かったです。リアリティがありました。本作の登場人物はみんなそれぞれの人間性が感じられて、とても好きです。

ただ笑えるというだけではなく、嘘と真実によってもたらされる人間関係や物事の複雑さといった、考えさせられる要素も含まれているのが良かったです。
他の方の解説を拝読させて頂くと、全く気づかなかった暗喩を知ることができて、より本作が好きになりました。例えば、赤と言いたかった青いペンの持つ意味や、アイアンクローに対する反応から読み取れることだとか。大変興味深かったです。
コミカルさに隠れているけれど、深みのある作品だと改めて感じました。気になった方は調べてみてください。

フレッチャーは嘘というか社交辞令のような、言葉の表現の仕方が上手いんですよね。見習いたいくらいです。嘘が使えなくなることで逆説的に嘘の重要性を表現していて、かつ笑えるのが素晴らしい。

エンドクレジット前のNGシーンもおもしろかったです。楽しい撮影現場だったんだろうなあ。この様子を見るに、本編にもアドリブがたくさん入っているのかも。

大いに笑ってちょっと感動して、温かい気持ちになれる上に深みも感じさせる素敵な映画でした。

きーとろ