夜の訪問者のレビュー・感想・評価
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ノワール風味が足らないブロンソン作品
70年代に人気絶頂を誇ったチャールズ・ブロンソンがフランスで撮ったノワール風サスペンスで、監督は初期の007作品を担当したテレンス・ヤングだけど、なんかイマイチな出来でした。南仏で貸ボート業をしている主人公が軍の刑務所で一緒だった連中から脅迫されるつかみはなかなかです。ところが出所してきた連中は極悪人の割には、やることが手ぬるく穴だらけで、何をしたいのかピンきません。結局、ブロンソンにいいようにやられてしまい、幕切れも中途半端です。こう言うお話しは、ノワールの大家ジョゼ・ジョバンニあたりに任せとけばいいのに。とは言え、峠道でのドリフト三昧のカーチェイスは迫力たっぷりで、アクション派のテレンス・ヤングらしい演出です。役者では、ブロンソンが軽やかな身のこなしとふてぶてしい面構えが魅力だけど、フランスに出張したには今ひとつ精彩がなくて残念。
敵役チームが雑すぎるが悪くもない
とにかく軍人上がりの敵役たちが緩すぎて、コメディーかと。数の優位性も保てず、作戦もない。これじゃあ、脱獄も失敗して懲役から抜けられないさ。主人公ブロンソンも付き合って、船中で倒した外人部隊あがりも息の根を止めず。いつの間にか復活し、やたらマシンガンを撃ちまくり、仲間まで打ち殺す。ブラックコメディか?
ただ、カルストみたいな岩場のカースタントとか山道のカーチェイスの迫力。若きブロンソンの引き締まった筋肉体型と、リヴ・ウルマンの妖しい美しさ。これは一見の価値あり。ミニスカートブームの時代、彼女の白くて美しい脚線美を際立たせていた。
危機感ナシ!?
とにかく余裕なブロンソン、最初の動揺から一変な奥さんの逞しさ、帰宅したらヤッつけた二人は居るし医者連れて来るより病院に行った方が効率が良い、ブロンソンの行動が腑に落ちない為体。
流れ弾で余計なアイツは多分ロリコン、娘の露出度が高くなる変態性、医者のお爺ちゃんの容態が心配になるカーチェイスはウザったくてまだ着かねぇのかよ!?
山火事起こして爆笑している三人家族は危機感も無く、六ヶ月なんてチョロいもんだとハッピーエンド。
素晴らしかった
かなり不利な状況なのに、ブロンソンはまったくビビることなく常に冷静であるのは、よほど腕に自信があるのだろうか。医者を連れて山小屋に戻る際に警察のバイクに追われる場面がたっぷりと続く。医者が車に酔わないか心配になる。敵のボスの顔色がどんどん悪くなるのが面白い。ボスの彼女のヒッピー女が殺人の経験をこともなげに話すのが怖い。ラストでは運転違反を警察にとがめられそうになるのがハッピーエンドな感じがしていい。ブロンソンの娘が妻の連れ子であるところや、妻を避けるように仲間とポーカーをしているような暮らしぶりに人間味がある。
無茶な運転の赤い車
チャールズブロンソン扮する貸し船屋ジョーに刑務所時代の昔の仲間が借りを返せと近づいて来た。勝手に家やって来られて妻を人質に物を運べと言う。
どうもフランス語では感情がこもってないと言うか臨場感がわかない気がする。フランス語のトーンとアクションが空々しいさがイメージに合わないんだよね。演技の問題なのかもしれないな。赤い車で無茶な運転をしていた印象しか残らなかったよ。
う〜ん、マンダムの作品。ふるっ(笑) 登場人物の行動選択が疑問符ば...
う〜ん、マンダムの作品。ふるっ(笑)
登場人物の行動選択が疑問符ばかりだ。主人公、とりわけ悪党たち。はよ撃てよ!とか逃げろよ!とか、もうそんなのばかり。もはやギャグの領域ですらある。
見どころは終盤のカーチェイスと可愛らしい子ども人質(笑)
あのやばい女役がブロンソン嫁なんだ。
ブロンソン!脇役!なのにもうちょっと
ブロンソンが50才前後とは思えぬプンプンする男振り、奥さん役と敵役(ちょっと微妙だが)に名優、その他の脇役も中々味が出てる。どこかのサイトでカーチェイスがしょぼいという感想もあるが...今の出来過ぎのウソっぽいカンフー映画みたいなのと比べると本当に走っているから(というか走っているだけだから?)ブリットと同じ実写の迫力があるし、ブロンソンが最初にプロレスで言うフェースロックで首の骨折るところとか決まっているし等々良い感じなのに、なんだかストーリーが走っていかないのが残念。観てよかったけれどもう少しかなぁ
※最初の殺人と死体遺棄のあたりまでが「雨の訪問者」みたいで、「雨の..」が好きだから、同じ展開を期待したからだけかもしれませんのであくまでも個人的な感想です
B級映画ながらなかなか侮れない
チャールズ・ブロンソンの渋い演技、彼の個性が活かされている
低予算のB級映画がながら脇役やスタッフにも才能ある人の名前があるので侮れない
例えばブロンソンの妻役のリヴ・ウルマンは巨匠ベルイマン監督の公私のパートナーで彼の作品の常連女優
かなりのパートを占めている大きな役を演じているが、その演技と存在感は正直ブロンソンを上回っている
また撮影はジャン・ラビエで、あのシェルブールの雨傘を撮影した人
だから映像が、そのシェルブールの雨傘の映像と同じあの雰囲気が色濃く画面に滲み出しておりなかなかにお洒落感が漂う
テレンス・ヤング監督作品ながら、フランスはコートダジュールを舞台にしてフランスのフィルムノワールの味わい
ただ脚本はもう少しこなれていれば、もっとお話も膨らんだし面白くなったのにと思ってしまう
とはいえ、楽しめる映画であるのは間違いない
南仏の美しい風景、街並み、登場人物のお洒落な衣装の着こなしと色彩はファッション雑誌から飛びだしたかのよう
また終盤の岩だらけの峠道の爆走シーンはブリットを思い出させるほどの迫力がある
低予算でこれだけの作品を撮れるのだから、やはりテレンス・ヤング監督は侮れない
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