劇場公開日 1988年6月30日

「ロージ監督の珍しい恋愛ドラマがミステリアスに描かれる芯のある映画文学」予告された殺人の記録 Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ロージ監督の珍しい恋愛ドラマがミステリアスに描かれる芯のある映画文学

2020年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

中南米を舞台にした殺人事件のミステリーを恋愛ドラマと並行して描く、ガルシア・マルケス原作の映画化。社会派映画に才覚を発揮するフランチェスコ・ロージ監督の芯のある映画文体が、独特なドラマ作りを見せる。ルパート・エヴェレット、オルネラ・ムーティ、アラン・ドロンの息子アントニー、ジャン・マリア・ボロンテ、そしてイレーネ・パパスと豪華キャストの彩の良い映画。ラスト、手紙をばら撒き主人公二人が20年振りに再会するシークエンスの、何たる古典的決着の語りの古さは、今の時代には理解に苦しむものがあろうが、個人的には嫌いになれない。いい映画だが、傑作にはならなかったロージ監督の異色の映画文学の力作。
  1988年 9月20日  シネスイッチ銀座

Gustav