「地上に降りる影」欲望の翼 abokado0329さんの映画レビュー(感想・評価)
地上に降りる影
ウォン・カーウァイ監督作品。
売り子のスー(マギー・チャン)が、一時は恋仲になるヨディ(レスリー・チャン)に言われる「夢で会おう」という言葉から、眠れず闇夜を彷徨うこととは対照的に、映像美によりまどろみへ誘われるそんな素晴らしい作品でした。
ヨディが口にする「脚のない鳥は飛び続け、疲れたら風の中で眠り、生涯で1度だけ地上に降りる。それが最後の時」は本当に重要なセリフだ。
本作は、ヨディを中心とした若者の恋愛模様を描いた群像劇である。彼/彼女らは、「愛されたい」「自分のものにしたい」そんな欲望を翼にして恋路を飛行する。その飛行はどこまでも遠く高くいけそうである。しかし地上を見下ろせば、別れや死の影が必然的につき纏っているのである。
マギー・チャンがとにかく好きだし、トニー・レオンの登場には驚いた。
『花様年華』を観直したくなりました。
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