「潜水艦内外の戦い」U・ボート everglazeさんの映画レビュー(感想・評価)
潜水艦内外の戦い
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第二次世界大戦、主にドイツ軍潜水艦内を舞台にした映画。
潜水艦外では、敵の攻撃、荒波、そして水圧。
潜水艦内では、澱んだ空気の閉塞感、汗や汚物の異臭、感染症、見えない敵の存在への恐怖、そして海底から浮上できないことへの憔悴。こちらまで息苦しくて窒息しそうな圧迫感が伝わります。
敵国の軍歌を楽しそうに合唱したり、敵国出身の婚約者の身を案じたりと、最前線では日本より健全な精神を保てていたのかなと感じました。
また、酸欠というのは極限状態ではありますが、「野火」などの作品で表されるような、激戦地における日本兵の状況と比べると、豊富な食料や燃料を補給出来るだけ、まだマシなのでは?と思ってしまいました。大戦全盛期と終盤では、戦局も違うのでしょうが。
現場を知っているとは思えない指導部からの無謀な命令、希望と共に浮き上がって生き延びても、あともう一歩でまた沈められる、戦時中の先の見えない非情さがよく描かれていました。
緻密に再現されたセットで、狭い空間でもこれだけの力強い描写で魅せることが出来る、作り手の巧みな手腕を証明した秀逸な作品です。
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こころさんのコメント
2021年2月1日
everglazeさん
殆どのシーンが潜水艦内、でしたが、見応えが有りました。
私も食料事情については👀でしたが、実際にはどうだったのでしょうね。
役者さん達のリアルな演技も素晴らしく、報道で潜水艦を見る度にこの作品を思出しそうです。