ヤング・ゼネレーションのレビュー・感想・評価
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2024年に観ると逆にこれどう撮った?
2024年に観ると逆にこれどう撮った?と言いたくなるような望遠長回しによる自転車レースの迫力!
漕ぐ音だけが響く手に汗握るとはこのこと!と思いました。
若者の焦り、大人との摩擦、憧れへの失望、などストーリーもきちんとしていて、なおかつしっかり描かれないシーンの余白も感じさせる素晴らしい作品でした。
ピーター・イエーツ監督の爽やかで直向きな青春映画の佳作
しばらくアメリカ映画に青春映画の佳作が無かったように思う。これもベトナム戦争敗戦の影響なのだろうか。しかし、何と今ここに、素直に喜べる青春映画が現れた。それも、個人的には嫌いな方に入るピーター・イエーツ監督によって作られた「ヤング・ゼネレーション」である。イエーツ作品では「ブリット」「ジョンとメリー」「ホット・ロック」の話題作を観て、そのどれもが感性的に認めたくない演出を感じ取ってしまい印象は良くない。というのも、道徳的に許されないとまではいかないが、イエーツ監督の描く人物像とその行為に不埒な太々しさがあったからである。これは僕が最も注意すべき人間性にまで及ぶから、不快な思いをさせられた。この新作にも、それが全く無い訳ではない。それは、主人公デイブの友人ムーチャーが洗車の仕事を始める朝、ただ社長に遅いと注意されただけで怒ってタイムカードの機械を壊し逃げ去るシーンであり、デイブの父親が中古車販売で保証したにも係わらず、故障した車をはねつけるところである。何も人道主義者を装う訳ではないが、映画の文法として、何故そのような非道な手段に至ったかの説明なり描写が欠落しているから駄目なのである。
しかし、この映画はそれを汚点としても、素晴らしい作品になっていた。主人公始め落ちこぼれの若者4人の青春スケッチに、久し振りの清々しい興奮を覚える。単純で楽天的な視点ではなく、ただ一途に青春に賭ける若者の燃焼が真面目に扱われていた。デイブがイタリアかぶれで自転車レースに夢中になるのも、今それだけが自分の存在価値を高める潔い覚悟であり熱意であるのが痛いほど伝わる。だから、イタリアのレースチャンピオン“チンザノ”との夢の対決をした時、彼らの妨害によって転落してしまえば大きな打撃を受ける。そして、大学生との喧嘩にも、落ちこぼれなりの意気込みを感じられる。挫折を経験した者には説得力があるし、それを含めて青春を奇麗ごとに描いていない。何よりも素晴らしいのは、イエーツ監督が彼らの社会に対する主張を声高にさせていないことだ。それよりも大切なことは何かを、問い掛けている。そして、デニス・クリストファーが演じたデイブによって、その軟弱さは一種の強かさを生んでいた。例えば、大学生のキャサリンの前でセレナーデを歌う心憎いまでのラブコールはどうだろう。直向きな主人公の、この純真さと勇気がいい。ラストの自転車レースは、イエーツ監督得意のスピード感溢れるカメラワークを駆使し、見応えのあるエンディングで終わる。実に爽やかな青春映画で、観終えて幸せな気分になっていた。
落ちこぼれ青春の爽やかな闘志を描いたピーター・イエーツの快心の佳作。社会に対して思い上がった主張をする訳でもなく、青春を燃焼させるため直向きに行動する姿をユーモアたっぷりに描いた好感の持てるアメリカ映画。それとメンデルスゾーンの交響曲『イタリア』を存分に使っているのが、個人的にとても楽しめた。この大好きな曲が、見事に嵌っている。
1980年 4月11日 ニュー東宝シネマ1
ピーター・イエーツ監督では1983年の「ドレッサー」で再び感銘をうけ、この作品と併せて、今では大好きな監督になりました。因みに学生最後の年の1980年の個人的ベストテンを記すと・・・・
①ルードウィヒ神々の黄昏②クレイマー・クレイマー③マンハッタン④オーケストラ・リハーサル⑤ヤング・ゼネレーション⑥フェーム⑦カサノバ⑧鏡⑨大理石の男⑩ローズ 次点 テス、ルナ、オール・ザット・ジャズ、マリア・ブラウンの結婚
この年もいい作品に出逢えました。今振り返ると、「オーケストラ・リハーサル」と「鏡」をもっと上位に置いてもいいかも知れません。
"CUTTERS"
ボンジュールって終盤、父親のビックリした顔のアップが最高。
イタリアへの情熱がチョットした?意地悪でヘコんでしまうメンタルの弱さが玉に瑕!?
他所から来た大学生への劣等感、異国への憧れ、D・クエイドは捻くれてばかり。
両親のキャラが特に父親がとてもヨシ!!
青春物語でありながら子育ての物語
その時代の青春物語なのだが
その父親母親世代からの目線で作られていると感じる
主人公の両親、特に母親の演技は特筆すべき、暖かいいい味を醸し出している
子供が大人になる一歩手前でもがいている姿を、父親はガミガミ、母親はほんわかと見守る
そして父と息子が夜の街を散歩しながらの会話シーンは秀逸
この映画は青春ただ中の若者よりも、子育てを経験した世代にこそ味わい深いものがあるはず
そして自分自身の青春時代を思い出しながら、この若者たちの物語を重ね合わせて観る映画なのだ
構成、脚本も全く無駄がなく、テンポ良く展開される。さすがはピーターイェーツ監督作品だった
主人公が強すぎた
高卒の落ちこぼれが大学生エリートに打ち勝つ系の映画。
のはずだが、実は主人公が全然落ちこぼれじゃないので、その辺の面白味があまりない。
自転車の才能ありすぎだし、結局は特に勉強もせず名門大学にとおっているし。
キャンパスライフのバカ騒ぎを見て楽しめるなら。
いつの時代も…
時代は変わっても青春時代の男の日常は変わらない。ウダウダした前進も後退もしない日々、恋に友情。友達だけど、一人だけ上手く行くとムカついたり、失敗したらどこか嬉しかったり、敵が出来たらやたら結束力強くなったり…4人組も自分の青春時代のあいつはあいつでと被る奴ばかりで愛おしかった。
青春時代を振り返れる懐かしい映画でした。
傑作だった
イタリア人に憧れる自転車好きの若者が仲間とつるんでグダグダしたり、恋をしたり自転車レースに出たり嫌々仕事したりする。超面白かった。見終わって寝ようと思ったのだが、仕事してから寝ることにする。
宇多丸さんのオールタイムベストという冠に負けない素晴らしい傑作だった。ちょっと前の午前十時の映画祭でやっていたのに、見に行けなかった事を物凄く後悔した。
ただ、主人公が並はずれた自転車の実力の持ち主で、そこがちょっと気に入らなかった。確かに努力もしていたけど、ともすればイタリア人にも勝ちそうだった。最後のレースも怪我をしなかったらもっとぶっちぎりで優勝していただろう。そんなところは自分との隔たりを感じさせた。
オンボロの自転車を修理していた場面がすごくよかった。彼は喧嘩にも参加せず、そんな微妙な立ち位置もよかった。
宇多丸氏が好きそうな要素満載!
無為な日常を過ごしているアメリカのロードサイドの落ちこぼれ四人組が、ある事件をきっかけに「やると決めたらやってやんぜ」と立ち上がる青春ムービー!
郊外感、チーム感、見終わった後の「あいつら何してるかな」と思わせるボンクラクルー達ライムスター宇多丸氏のツボ付きまくりムービー!最後はサムアップ必至!
(関係ないが何で宇多丸氏は都内出身なのに郊外感好きなんだろう?)
イタリアかぶれの自転車野郎、高校の時は威張ってただろう元花形フットボール選手、喧嘩っ早いチビ、the木偶の坊という4人のボンクラ(=カッターズ)は見てて微笑ましくなる奴ら!
(またしても脱線だが、主役のデイブはアーティストのベックハンセンにそっくり)
最後に父親との和解&成長も上手く描けており、音楽の使い方、自転車で走るシーンの爽快感なども含めてバランスのいい良質な映画を観たという満足感を得られました!
木更津キャッツアイ、IWGPなどのドラマシリーズやサイタマノラッパー、ヒーローショー、サウダーヂなどの映画好きにはオススメ!
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