柔らかい肌(1964)のレビュー・感想・評価
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なぜか さり気なく 怖い
ヒッチコック風タッチとのことだったらしいが、そんなこと知らないで観たら、最初から最後までなんだか怖かった。
地方の講演先で催された会食の面子も、子守の女性も、電話ボックスで長電話する女性も、なぜかみんな怖くみえてきてしまう
この作品では、結末を除けは、子どもを持つ夫婦の日常と、男の側の不倫の過程が淡々と描かれているだけだ。でも、そこには幼稚で希薄な人間関係がある。そのうちなにか起こりそう、この意思疎通の希薄さではうまくいくはずがない、と予感させる。
表面ニコニコして生活していても凶暴性は秘められていた。きちんと理解し合っていない、ということが恐ろしい結果をもたらす。一人前の顔をしていながらも中味は幼稚な男は問題解決能力を持たない。
妻の女ともだちはわりとまともで、仲直りの電話をかけることを勧める。が、すでに遅かった。彼女に言われなくてもそうしようとする発想や積極性は夫にはなかった。
妻は、夫を愛しているからこそ殺したのか、それとも自尊心が許さなかったのか?どちらにせよ彼女の選択もまた自己中に感じる。
コミュニケーションが希薄な現代人、何を優先させるかという価値観の整理もできない現代人、その閉鎖性や幼稚性。
この映画 の恐ろしさ はそういう恐ろしさであるような気がする。
男って…
しょっぱなの手の映像がなんかエロい。何度も男の指の結婚指輪をなぞる、女の手。なんとなく不穏なムードが、このシーンだけでじわっと…。
古今東西、世界中どこにでもある不倫の話だけど、あまりベタっとしていない。男は右往左往して困ってるし、女は泣くけれど、どこか突き放して描いている。人間の滑稽さを天から見つめているかのごとく。まあ、自業自得の結末で、バルザックのことはわかっても、女性心理はわからない、無粋な男の話であった。
フランソワーズ・ドルレアクの美しさには魂もっていかれた。ダンスシーンもキレキレだった。彼女の出演作品を追いかけたくなった。
BS松竹東急の放送を録画で鑑賞。
不倫はトラブルの種
古い映画なので、公衆電話やタバコにマッチ。
懐かしいものばかりでした。
不倫はいつの時代にもあり、浮気された家族の悲しみは変わらない。
人間だから魔がさすし溺れそうになっても、踏ん張るしかない。
結局、誰もが悲しい思いをするのでしょう。
Nicole MED 59-04
若く美しいキャビンアテンダント、ニコル( フランソワーズ・ドルレアック )に心を奪われる文芸評論家ピエールをジャン・ドザイーが演じる。妻子あるピエールに言い寄られ、ニコルは交際を始めるが…。
それぞれの想いが微妙にズレ始め、自分本位に感情をぶつけ合う姿がリアルで目が離せなかった。
スレンダーで目元が印象的なフランソワーズ・ドルレアックが、カトリーヌ・ドヌーヴの姉であり、25才という若さで車を運転中の事故で亡くなられていた事を鑑賞後に知り驚きました。
ー高輪プリンス、悪くない
ー日本の美術店、浮世絵、藤田の絵
BS松竹東急を録画にて鑑賞 (字幕)
どうしてフランス映画の女性はここまで怖いのか
1964年フランス映画。118分。今年21本目の作品。ヌーベルバーグの旗手フランソワ・トリュフォーの作品。名作「大人は判ってくれない」の監督さんは、その後、このようなお色気たっぷりの作品を描いていたと知って、いささかたまげました。
内容は;
1,飛ぶ鳥を落とす勢いの文芸批評家の男は、出張先のリスボンに向かう飛行機でフライトアテンダントに魅せられる。
2,男がリスボンで泊まったホテルに偶然女が泊まっていることを知り、食事に誘う。
3,二人は不倫の関係を結び、それから男の妻に内緒で恋を暖めていく。
フランス映画らしいなんでもないストーリー展開。そしてフランス映画らしく、なんでもない事が途中から目も離せないほどにスリリングに描かれていきます。
この作品の最大の見所は、女性のメインキャスト二人であるフライトアテンダントと男の妻の描かれ方。最初は画面を飾る華のような存在感だった二人は、物語が進行するにつれ、それはそれは生々しく、恐ろしい存在感になっていきます。
それにたじろき世間体を気にし始める男は、やはり万国共通の神話的性質だということなのでしょうか。今まで散々この男の情けない姿をフランス映画で観てきたので、本作では事も無げにあっさり観ている自分がいましたが、やはりこの男女の対比がしっかりしているのです。
そんな登場人物は、途中から子供じみてきて最後のショッキングな展開を観ると、「なにやってんだよ」とも思ってしまいましたが、
そもそも、恋愛というものに大人らしさを求めることほど馬鹿馬鹿しいものはないのかもしれません。これが、この作品のメッセージかもしれません。そして、そう考えるととてもやりきれない(そして憧れる)。
そして、ふと映画の冒頭で何の脈絡もなくでてくる女性の手のアップ映像。
あれは一体どういう意味なのか、いまだに考えてしまいます。
他のトリュフォーの作品も観てみようと思いました。
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