劇場公開日 1970年11月25日

「悪人をやっつける銃撃戦ありきの西部劇ではないところがいい」モンテ・ウォルシュ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5悪人をやっつける銃撃戦ありきの西部劇ではないところがいい

2015年7月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

難しい

総合:70点 ( ストーリー:70点|キャスト:70点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )

 西部劇は何かといえば倒すべき敵がいることが最初から決められていて、その敵と対決することこそが見所となっているもの。だがこの作品は、牧童として長らく生きてきながら、開拓時代の終わりと社会の変化によって取り残されていく男たちの生活を、当初は滑稽に、そして段々と真剣さを込めて描く。
 まだまだ治安の安定していない時代だから、犯罪行為は起きるし銃を使う場面も出てくる。しかし最初からそれありきで物語が成り立っているわけではない。リー・マービン演じる牧童が、仕事に誇りを持った生き様を貫く過程では、そういうことも避けては通れないというだけ。開拓時代の終焉の中、いつまでも牧童として生きたかったのに思うままにならなかった彼の孤独と哀愁が主題になっていて、しんみりとした余韻が少し残る。銃撃戦で悪い敵を倒してはいそれまでというありきたりの話ではないし、当時の牧童の姿を真面目に捉えようとしているところが気に入った。

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Cape God