「微笑んで」モダン・タイムス Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
微笑んで
総合:70点
ストーリー:70
キャスト:75
演出:70
ビジュアル:65
音楽:80
まだまだ世界大恐慌の余韻の残る時代に制作されただけあって、貧困に苦しみ資本家に搾取される労働者が描かれているのは時代を反映している。効率を追及することで人間性を犠牲にし、資本家のために労働者が犠牲になる。
街中を車が動きまわり誰でも格安で電子計算機が使えて繁栄を謳歌する現在ではおおかた結論が出てしまったが、資本主義と機械文明の抱える問題点に対する疑問は当時の失業者溢れる社会には深刻であったことがわかる。生きるというのはまだまだ大変な時代だった。
そんな貧困で希望もなさそうな中で、心の温もりと希望をどこかに見出そうと何もない荒野の道を行く二人に流れる名曲「スマイル」がいい。長い苦悩の末にやっと芽吹きかけたものが摘まれてしまって、何もかも無駄に思えて、死を考える絶望にいて、それでもかすかな期待を明日に抱いてなんとか立ち上がり歩いていく彼らの幸せを祈らずにはいられない。
有名なこの曲の歌詞は公開当時ではなく1954年になってつけられたものだが、それでもこの場面に驚くほど曲と共に合っている。それが哀愁を帯びて囁くように言うのだ、
「たとえあなたの心が痛んでも、たとえそれが引き裂かれたとしても、微笑んでみよう。空を雲が覆うときも、あなたならば切り抜けられるさ。もしあなたが恐怖と哀しみを乗り越えて微笑むのならば、きっと明日は、あなたのために太陽は輝くよ」
この曲に当時から歌詞がついた状態で最後の場面に流れていたら、音楽に100点をつけていたかもしれません。
Smile though your heart is aching
Smile even though it's breaking
When there are clouds in the sky, you'll get by
If you smile through your fear and sorrow
Smile and maybe tomorrow
You'll see the sun come shining through for you
Light up your face with gladness
Hide every trace of sadness
Although a tear may be ever so near
That's the time you must keep on trying
Smile, what's the use of crying?
You'll find that life is still worthwhile
If you just smile
That's the time you must keep on trying
Smile, what's the use of crying?
You'll find that life is still worthwhile
If you just smile