劇場公開日 1960年9月21日

「 ポールにはミリアムという恋人がいたのだが、彼女の母親は厳粛なカト...」息子と恋人 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0 ポールにはミリアムという恋人がいたのだが、彼女の母親は厳粛なカト...

2021年1月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ポールにはミリアムという恋人がいたのだが、彼女の母親は厳粛なカトリック信者であるが故に体を許そうとはしない。ミリアム自身もそのDNAを受け継ぎ、精神的な愛によってポールを支えていけると信じていたのだ。ロンドン行きの話が持ち上がったことで、ポールを引き止めるため体を許すが、苦痛の表情しか見せないミリアムに対し愛も冷めてしまった・・・「セックスは子供を生むために耐える苦痛」と主張する母親の頑固さも印象的。

 ロンドンへ来ないかとスポンサーに誘われるものの、ポールは地元の婦人服工場で働くことになり、そこで知り合った人妻クララと恋に落ちる。クララは婦人の権利主張をする運動家でもあり、母親よりも強い性格に惹かれたのか、上手く行くことのない恋に溺れるポール。「自由恋愛っていいなぁ~」と実感しただけにとどまったようだ・・・

 ラストにはまたミリアムと仲直りか?と思わせておいて、母親の死が強烈にポールを閉ざされた闇に落としいれ、画家を目指す心さえもあやふやな青年になった。ミリアムがとても可哀想に思えるラスト。これが現実なんだと突き放すかのようなエンディングは冷たい風が吹いているようにも感じてしまう。終わってみると、何を言いたかったのかさっぱりわからない映画だったが、これから恋をする若者たちへの教訓でもあったのか・・・虚しくなるだけかも・・・

 まぁ、原作が『チャタレイ夫人の恋人』のロレンスだから、エロじゃないと面白くない内容なのかもしれないし、sonsと複数形になってることから、ポールだけを描いた内容では単なるマザコン息子としか映らないようでもあった。

kossy