無人の野のレビュー・感想・評価
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ベトナム側から見たベトナム戦争
日本では劇場公開のみで、VHS化も含めてソフト化や配信はされていない。僕は確か90年代あたりにNHK教育テレビ(現Eテレ)かNHK‐BSで放送された時に観た。
おそらく予算の関係かモノクロだし、ハリウッドに比べれば技術的にも未熟ではあるが、日常生活の中に戦争があったベトナム側から見たベトナム戦争は興味深かった。米軍兵もきちんと「人間」として描かれているあたりも米国映画とは一味違う。
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ベトナム人が作った貴重なベトナム戦争映画
定期的に連絡するベトナム人。しかも湿地帯に舟で集合するのだ。女性兵士が乳飲み子を抱える夫婦の元へ手伝いに行くと申し出るがデルタ地帯は厳しい。何度もヘリからの攻撃を受け、家も爆破されたりするが、たくましく生きていく親子3人。
ヘリが接近してきたら潜るしかない。赤ん坊をビニール袋に入れて潜る夫婦。戦争というものが最初からそこにあったかのように当然のごとく逃げ隠れるのだ。全編白黒映像で自然の美しさも感じられず、混沌とした戦況下での生きることだけが使命であるような思いが伝わってくる。
主人公の夫バー・ドーが最後に殺されてしまうが、その仇を妻サウ・ソアが討つ。よちよち歩きの彼らの赤ん坊と、子供の写真を抱えて死んだ米軍兵士との対比がなんともいえない無情感を醸し出していた。
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