「ミルドレッドの大きな優しさに包まれたい」ミルドレッド Qooさんの映画レビュー(感想・評価)
ミルドレッドの大きな優しさに包まれたい
オススメともあってこの「ミルドレッド」を鑑賞したく、DVDを購入したが、なかなか観れずやっと鑑賞できた。新品はなく中古で購入したと思う。
私がジーナ・ローランズさんを初めて知ったのは、「きみに読む物語」での認知症を患った老女だった。今作で初めて若い(と言っても中年かな?)ジーナ・ローランズさんを見たのに、何故かとても懐かしい感じ。この感じがとても好きなのだ。
ミルドレッドが文句を言いながら新聞を配達するところから話は始まる。
なんでそんなに文句言いながらやってるんだろうと思ったら、思春期かと思われたグータラ娘はなんと23歳で、仕事の新聞配達もまともにこなさないので、代わりに母親のミルドレッドが配っていたのだ。笑
過保護に育て過ぎたかのように見えたが、ここにミルドレッドの節度ある子育てがうかがえた。母親として、子供達が世に出ても困らないように、きちんとした知識を養おうと。きっとそのためには自分の事など後回しにして、子供達に注いできたのだろう。
子供にとっては鬱陶しく感じたのか娘はミルドレッドに反抗して家を出ていってしまう。
そんな生真面目なミルドレッドが、ご近所さんでシングルマザーになったモニカの子供を毎日預かることになり、その子供JJと、そしていつしかモニカとも心を通わせ合って行く。そして夫を亡くしてから初めて意識する男性Big Tommyにも出会う。
それまでは学校にもあまり行けてなかったJJが節度あるミルドレッドから学習し成長していく様、
母親として未熟なモニカがミルドレッドに助けられながら成長していく姿も、ミルドレッドの皆を包むような大きな愛情があってこそなのだ。そしてミルドレッド自身もJJ、モニカ、Big Tommyに触れることで自分を見出していく。
長い間生真面目で堅実な良妻賢母であったミルドレッドが、自分で自分の生き方を決断したのには、清々しく素晴らしく思った。
何よりもこのミルドレッド、すごくユーモアに溢れてて、温かく、皆を応援したくなるような素晴らしい作品だった。
Qooさん、たくさんの共感ありがとうございます😊
「きみに読む物語」や、この「ミルドレッド」の監督であるニックカサヴェテスはジーナ・ローランズの息子さんなんですよね。ジーナ・ローランズの旦那さんであるジョンカサヴェテスの監督作品を見ると、ジーナ・ローランズのものすごく若い頃が見られます‼️めちゃくちゃ綺麗ですよ‼️