「貧しい暮らしのユニークなファンタジー」ミラノの奇蹟 あまおとさんの映画レビュー(感想・評価)
貧しい暮らしのユニークなファンタジー
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ファンタジーだが、ユニークな面白さがあった。貧乏だが不器用でかわいらしい人たち。彼らを独特な独特な世界観でまとめあげていると思う。
歌に出てきた、ほんの少々の生活必需品とパンと、雨露を凌ぐところさえあれば幸せだ、というような言葉に、なるほどと思わされる。生きているだけで十分で余分なものははなくても構わない…。基本的なことを思い出させてくれる。
彼等のこのささやかなマイペースの生活が、外部圧力で壊されそうになった時、トトの母親の愛が助けてくれ、包んでくれる。援助がありがたい。
彼らが箒にまたがって並んで空を飛ぶ様子は素敵だ。いつか彼等はそうやって天国に行くのかもしれない。
しかし、広場の彫像が、お色気満点の都会志向の女に変身した場面と、トトが、あれもこれも欲しがる欲張りな住人たちに応える場面は好きになれない。慎ましい生活はどこにいったのか?あれはやせ我慢だったのか。金があれば溺れる、のならば、石油目当てに住民を追い払う権力者と基本的には変わらなくなってしまう。ま、それは現実だろうが、ファンタジーではそうあってほしくない。
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