「スピルバーグは」未知との遭遇 ブロディー署長さんの映画レビュー(感想・評価)
スピルバーグは
クライマックスで広場に大勢のキャストを集めて、よーいスタートと撮るのがホントに好きな監督。この未知との遭遇も、E.Tも、魔宮の伝説も、シンドラーのリストも、その他も多く白々しい広場シーンが出てくる。無駄なシーンが一つも無く最初っから最後まで完璧だった激突やジョーズと違い、この未知との遭遇は、ダラダラと冗長な展開が続く。スピルバーグ自身の子供の頃の両親の離婚体験がどの作品にも影響していることは有名な話だが、自分の父が家庭を壊し、家出したトラウマ体験を、お父さんは宇宙に行ったんだと繋ぐ展開は、見せられてる観客を置き去りで説得力を欠く。ラストのマザーシップの迫力や美しさは、スピルバーグというより、ダグラストランブルの仕事の見事さだろう。自分はモロにスピルバーグの映画を観て育った世代だが、上の世代の映画マニアが言うスピルバーグが映画を幼稚なものにした、という意見は今となってはよく分かる。
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