見知らぬ乗客のレビュー・感想・評価
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ヒッチコック5本の指に入るほどのハラハラドキドキの秀作
ヒッチコックは幾つかのタイプに分けられる。トリックや犯行手口や語り口が斬新なものと、登場人物がエキセントリックなもの。そしてクライマックスにあっというようなスペクタクルが用意されているもの。その全てを兼ね備えたものが本作であり、タイトルの認知度からは想像できないほどのエンタメ快作と断言できる。
まずは電車で乗り合わせた男と交わされた「交換殺人」という仕掛けがレールとなり、冗談かと思っていたら本当に犯行が行われ、さあ次はお前の番だと迫られるテニスプレーヤーが崖っぷちに立つ。なんとも奇妙で不気味な物語なのに、主人公のアクティブさと恋人の聡明さが雰囲気を一向に暗くさせない。それでいて謎の男もまたサイコパスとコミカルの間を絶妙にドリフトして観る者をハラハラドキドキと楽しませる。あげくには遊園地のあの遊具が恐るべき最終舞台となる展開には本当に恐れおののいた。ヒッチコック5本の指に入る秀作なのでは。
ここから始まる黄金時代
前二作が今一つでしたが、この作品でスリラーの頂点の一つを作ったヒッチは、以降遺作に至るまで怒涛の傑作群を送り続ける、というのが一般的な評価です。
異常性格の犯罪者の不気味なエスカレートぶりを中心に、オープニングの交差する線路、眼鏡に映る殺人現場、テニスシーンの効果的な使い方、目まぐるしく変わる有名なメリーゴーランドのスリラー、ヒッチの実娘が扮する眼鏡の犯罪オタクお姉さんのシニカルなコメディリリーフなど、ヒッチのアイデアとセンスが全編にみなぎっています。
(参考)脚本はチャンドラー先生ですが、ヒッチと全くウマが合わずクレジットはあるものの、彼の書いた脚本は原型を留めないほどズタズタに変更されているそうです。
ヒッチは、シナリオが中途半端で二人の男の対立が力強くない、と反省しています。
テニス選手役はWホールデン先輩を考えていたようです。
アミューズメント・パークの怖さ
電車で話しかけられることがイヤになる作品‼️
ある男ブルーノがテニス選手ガイに、君の妻ミリアムを殺す代わりに僕の父を殺してくれ、ともちかける交換殺人ミステリー‼️さすがはヒッチコック監督、この作品でも素晴らしいサスペンステクニックを披露してくれてます‼️まずは小道具の扱い‼️開巻の二足の靴、眼鏡、ライター、ネクタイピン、拳銃、鏡などが巧みにストーリーに取り込まれています‼️オープニングの二人の男の接近遭遇を靴で示すショット‼️ブルーノがミリアムの首を絞め、その彼女のメガネが落ち、そのメガネに殺しが歪んで映るシーン‼️テニスの試合で観客全員が首を左右に振って見入っているのに、ブルーノの首だけが動かずガイを真っすぐに見つめているシーン‼️下水に落ちたライターがなかなか拾えないシーン‼️クライマックスの遊園地の回転木馬が凄まじい速度で回るシーン‼️ホントに印象的なショットの連続で、ヒッチコックのサスペンステクニックの、さながら見本市のような傑作ですね‼️
【”プロット及び、脚本及び“交換殺人”を持ちかけた謎の乗客を演じた夭逝したロバート・ウォーカーの演技良しのサスペンス・ミステリー。パトリシア・ハイスミスのイヤミスが好きな方には、お勧めの作品である。】
■イヤミスの元祖、パトリシア・ハイスミスの処女作(面白いです・・。)をヒッチコックが卓越した演出術で仕上げた作品。
犯罪への抑えきれない欲望や人間の持つ二面性(善性・悪性)を鋭く描き出した作品である。
■テニスプレーヤーのガイは、列車の中でブルーノという見知らぬ乗客に声をかけられる。
男は、ガイが妻のミリアムと不仲で上院議員の娘、アンと結婚したいことなど、ガイの私生活を驚くほど知っており、ガイの妻を殺す代わりに自分の父親を殺してくれと交換殺人を持ちかける。
◆感想
・作品のプロット自体が面白いのであるが、原作の面白さを、魅せる面白さをヒチコックは分かっている。
・ブルーノは、ある意味異常犯罪者であるのだが、その彼が、”悪妻ミリアムを殺したいだろ?”とガイに列車内で持ちかけるアプローチの様が面白い。
・遊園地での、ミリアムの殺害シーンや、その遊園地でのブルーノの最期なども連関していて、魅入られる作品である。
<今作は、”ヒッチコック”Meets”パトリシア・ハイスミス”の最良の作品である。
パトリシア・ハイスミスの、イヤミスが好きな方には、お勧めの作品である。>
見知らぬ狂信者
昔の映画の方が最後まで展開が
読めなくてハラハラする。
緊迫感のあるシーンも見応えがある。
ボンボンの息子の無敵感がリアルで怖い。
ガイのライターを犯行現場に置けば
殺害の証拠になるのがいまいちわからない。
ライターがガイの持ち物である証明をどのようにするのか。
あんなデザインいくらでもあるし、オーダーメイドなのかな。
指紋が判別できる手法があるならブルーノの指紋もでるのに。
絞殺した首にも指紋が検出されそうだけど。
ガイもブルーノに脅されていると言えばいいのに。
電話の記録や手紙、父親への殺人計画等。
見張りの警察もガイの周りに変な男が付きまとっているな
って気づきそうだけど。
ガイを犯人にしたいからガイしか見ていないのかな。
70年以上前にエスカレーターがあるのに驚いた。
一言「参りました!」
“列車に乗り合わせた見知らぬ乗客(右)から、交換殺人を持ちかけられたテニスプレーヤー(左)“。
で始まるんです。え?!。いきなりですかという。
作品全体通して、説明が少なくグイグイ話が進んでいくところが。
若干意見が分かれているようです。「んなばかな」と。
気にしちゃいけません、そこのところ。
いくつか「もしかしてこれは大事なアイテムでは?」と思われる品々が出てきて。
それをどう話の展開で使うのか。テニスプレイヤーは、見知らぬ乗客の話に乗るのか。
もうドキドキハラハラ(つい口に出てしまい「何してるん?」と心配された位)。
あっというまの101分。機会があったらぜひ。
(ググった範囲では、二宮和也さんで舞台化も。他にも色々あるようです)
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「完全殺人に興味はあるかい?」
秀逸なサイコサスペンス
一方的な交換殺人
見知らぬ作品
狂気の存在感
テニス選手のガイヘインズは列車で出会った謎の男ブルーノアントニーからガイの妻ミリアムとブルーノの父親それぞれを交換して殺害する完全犯罪の提案を持ちかけられる。
ミリアムの殺害を即座に実行したブルーノが様々な手段でガイを精神的に追い詰めていく姿を描いた狂気の傑作。
1951年の作品ながらおよそ初と言えるであろうサイコパス的人物を描いた作品。
異常な行動力と判断力、驚異の手際の良さでミリアムを殺害したのちに、次は君の番だとさも当たり前のように列車で交わした約束、ブルーノの父親の殺害実行をガイに迫るブルーノの姿は非常に腹立たしくもあり、図々しいを通り越して恐怖すら感じるモノだった。
テニスのツアー中のガイの行く先々に出没するストーカー行為、隙あらば話しかけたり、仕舞いにはガイの親族や周囲の人間と打ち解けだす大胆さで一口に失せろと咎めても全く動じない行動力に背筋が凍った。
なんと言ってもブルーノ役のロバートウォーカーの演技が怖すぎる笑。
残念ながら今作を撮影後に亡くなってしまったそうだがまさに生涯の代表作と言っても過言ではない作品と言える。
モノクロの映像も相まって怖さは倍増。
ガイの再婚予定の相手、アンモートンの鋭さと理解力、ガイを想う気持ちに全て救われたが、1対1の心理、論理戦でまず敵う相手ではない気がする。
是非鑑賞して頂き、ある意味最強キャラ、ブルーノアントニーに怯え、イライラして欲しい笑。
もしかしたらヒッチコック史上最も怖いかもしれない
ヒッチコックらしさを満喫できる名作
不安感を煽る左に傾いたカメラの作る斜めの構図
落ちた眼鏡のレンズに歪んで写る殺害シーン
テニス試合の観客席でひとり首を左右に振らず主人公を見つめる男のショット
映画の効果を知り尽くしたヒッチコック監督の繰り出す手管に酔いしれました
起承転結の結の盛り上がりは予想を超えてきます
正にスリルとサスペンスとはこの事
クライマックスの有名な回転木馬のシーンは圧巻そのもの!名シーン中の名シーンです!
ヒッチコックの娘パトリシアがヒロインの妹バーバラ役でそのいまいちな容姿が重要な意味を持たせてあるのもなかなか見物
演技もしっかり出来ている
本作はヒッチコック作品の中でも、成る程名作に挙げられるだけのことはあると唸ってしまう納得の作品でした
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