「これが後の作品に与えた影響の大きさを讃えたい」ミクロの決死圏 ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
これが後の作品に与えた影響の大きさを讃えたい
60年代の特徴ゆえか、冒頭からシリアスなサスペンスの様相を呈する本作。一人の要人が昏睡状態に陥ったことから、これをなんとか救おうと、身の危険を顧みない前代未聞のアドベンチャーが幕を開けていく・・・。まずは伝説的なタイトルバックの斬新なデザインを楽しみつつ、潜入ポッドと共にクルーが小さくなっていく際のシュールな描写も目に焼き付けておきたいところ。
医療監修が付いているだけあり、当時としては最大級の専門性と創造性とを融合させた美術セットと特殊効果によって驚きの体内世界が描かれた。今改めて見るとやや動きが乏しく、中盤は緊張感に欠けるシーンも多々あるが、しかし体内で暴れるとどこからともなく白血球が飛来して異物を排除しようとする様など、その精巧さに驚かされる部分も多い。まだCGというものが全く存在しなかった時代の奮闘に敬意を表しつつ、作品そのもの以上に、後の作品への影響の大きさを讃えたいものだ。
コメントする